IPS〈individual placement and support〉モデルによる援助付き雇用の原則として適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
IPSモデルは、障害のある人が競争的な雇用環境で働き、生活の質を高めることを目的としたエビデンスに基づいた就労支援モデルです。その中核的な原則として「医療・生活支援との統合」と「誰でも支援対象となる(ゼロ除外)」があります。選択肢1は医療や生活支援との連携、選択肢2は障害の重さを問わない支援対象という原則を示しており、これらがIPSモデルの重要な特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。IPSモデルは、就労支援だけでなく、医療や生活全般のサポートを統合的に提供することで、利用者の安定した就労を促進します。
- 2. 正解。IPSモデルは、障害の重さで支援の可否を判断せず、どんな障害を持つ人でも就労を希望すれば支援の対象とすることを原則としています。これは「ゼロ除外」の原則とも呼ばれます。
- 3. IPSモデルでは、訓練と就労支援を同時並行で行う「即時就労」を重視します。長期間の訓練を待つのではなく、できるだけ早く実際の職場での経験を積むことを目指します。正しくは:訓練と同時に、あるいはすぐに職場開拓や就職活動を開始する。選びやすい理由:一般的な職業訓練プログラムでは訓練後に就職活動を行うことが多いため、正しい選択肢のように感じられるかもしれません。混同注意:従来の「訓練優先型」の就労支援モデルと混同しやすいです。
- 4. IPSモデルでは、利用者の興味やスキル、希望に基づいて仕事を探す「クライエントの選択に基づいた就職活動」を重視します。企業側の募集に一方的に合わせるのではなく、個別のニーズに応じた職場開拓を行います。正しくは:利用者の興味や能力、希望に合わせて職場を開拓し、求職活動を行う。選びやすい理由:現実の求職活動では企業の募集に合わせるのが一般的であるため、妥当な選択肢に見えることがあります。混同注意:一般的な企業主導の求人プロセスや、利用者のニーズよりも企業の要件を優先する就労支援モデルと混同しやすいです。
- 5. IPSモデルでは、採用後も就労支援員が職場定着支援を継続して行います。職場の担当者との連携は図りますが、支援を完全に任せるわけではありません。正しくは:企業に採用された後も、就労支援員が継続的に職場定着支援を提供する。選びやすい理由:企業内の部署が支援することが望ましいと考える人もいるため、正しい選択肢のように見えます。混同注意:雇用後の支援を企業内だけで完結させようとする考え方や、就労支援員の役割が採用までと誤解する場合があります。
国試ポイント
IPSモデルの基本的な原則、特に従来の就労支援との違い(即時就労、クライエント中心、統合的支援など)が問われます。具体的な介入方法や支援の流れを理解しているかどうかも重要です。
混同注意
IPSモデルは従来の「段階的訓練型」や「作業所型」の就労支援モデルとは異なる点が多いため、これらのモデルの原則と混同しないように注意が必要です。特に「訓練優先」や「障害の重さによる選別」といった点はIPSモデルとは逆の考え方です。
次に同じ論点が出たら
IPSモデルの基本的な8つの原則を正確に理解しているか。それぞれの原則が従来の就労支援とどのように異なるのか、その背景にある考え方まで把握できているかを確認する。
関連知識
IPSモデルの8つの原則(競争的雇用への焦点、誰も除外しない、クライエントの選択に基づく、医療との統合、素早い仕事探し、職場定着支援の継続、利用者給付のカウンセリング、雇用主との直接連携)。各原則の内容と、それがなぜ重要であるかを理解することが求められます。