がんの放射線療法の晩期に出現する副作用はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
放射線療法による晩期合併症は、線量や照射部位により異なるが、放射線障害を受けた組織の線維化、血管障害、細胞死などが緩徐に進行することで発現する。骨壊死は放射線による骨への血流障害や骨細胞の傷害が原因で、治療後数ヶ月から数年以上経過して生じうる。
選択肢ごとの解説
- 1. 結膜炎は放射線療法による急性期の副作用であり、治療開始後早期に発現する。特に頭頸部や眼窩への照射で生じやすい。正しくは:早期合併症である。選びやすい理由:放射線が粘膜に炎症を起こすことは理解しやすいため。混同注意:晩期合併症。炎症性変化は一般的に早期に出現する。
- 2. 正解。骨壊死は放射線による血流障害や骨細胞の直接的な損傷により、骨組織の壊死が進行する晩期合併症である。顎骨壊死などが有名。選びやすい理由:放射線の影響が長く残るイメージがつきやすい。混同注意:急性期の骨髄抑制。骨髄抑制は造血幹細胞への影響であり早期に出現するが、骨壊死は骨そのものの壊死であり晩期合併症である。
- 3. 脱毛は毛母細胞が放射線に感受性が高いため、放射線治療開始後早期に生じる急性期の副作用である。永続的である場合もあるが、発生時期としては早期である。正しくは:早期合併症である。選びやすい理由:がん治療の副作用として一般的に知られているため。化学療法での脱毛と混同しやすい。混同注意:晩期合併症。毛母細胞への影響は急速に現れる性質がある。
- 4. 脳浮腫は、脳への放射線照射後比較的早期、あるいは治療中から起こりうる急性期〜亜急性期の副作用である。ステロイドで管理されることが多い。正しくは:早期〜亜急性期の合併症である。選びやすい理由:脳への影響は重篤なイメージがあるため、晩期まで続くと思われやすい。混同注意:放射線壊死(晩期合併症)。脳浮腫は比較的早期に生じるが、放射線壊死は晩期に生じる。
- 5. 放射線宿酔(全身倦怠感、悪心、嘔吐など)は、放射線照射後数時間〜数日以内に生じる急性期の副作用である。全身症状として出現する。正しくは:早期合併症である。選びやすい理由:宿酔という言葉から、長引く症状と誤解しやすい。混同注意:晩期合併症。宿酔は急性期の全身反応である。
国試ポイント
がんの放射線療法における副作用を、早期(急性期)と晩期(慢性期)に区別して理解することが重要である。特に、それぞれの代表的な症状とその機序を覚える。
混同注意
放射線療法の副作用は、初期に現れるものと、治療が終了してから数ヶ月〜数年後に現れるもの(晩期合併症)とで区別が必要である。混同しやすいのは、早期合併症と晩期合併症の区別、およびそれぞれの具体的な症状である。
次に同じ論点が出たら
がんの放射線療法の副作用を問う問題が出題された際は、まず問題文が「早期(急性期)」「晩期(慢性期)」のどちらの副作用を尋ねているかに着目し、それぞれの時期に特徴的な症状を選択する。
関連知識
放射線療法における急性期合併症は、主に細胞分裂の活発な組織(皮膚、粘膜、骨髄など)に生じ、治療開始後数日〜数週間で出現し、一般に可逆性である。晩期合併症は、主に結合組織や血管の障害、線維化により生じ、治療後数ヶ月〜数年以上で出現し、不可逆的なことが多い。放射線肺炎、放射線腎炎、脊髄症なども晩期合併症として重要。