中脳について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
皮質脊髄路(錐体路)は、中脳の腹側部に位置する「大脳脚」を通ります。具体的には大脳脚の約2/3を占める部分を通過し、被蓋部ではありません。被蓋は、大脳脚よりも背側に位置する部分であり、感覚伝導路や網様体、いくつかの脳神経核などが含まれます。したがって、皮質脊髄路が被蓋を通過するという記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。黒質は中脳の主要な構成要素の一つで、被蓋と大脳脚の間に位置し、ドーパミン作動性ニューロンを含みます。この位置関係は中脳の解剖学的重要な特徴です。
- 2. 正解。この記述は誤りです。皮質脊髄路(錐体路)は、中脳の腹側部分である大脳脚(大脳脚腹側部、特に中央3分の2)を通過します。被蓋ではなく、より腹側に位置します。正しくは:皮質脊髄路は中脳の大脳脚を通過します。選びやすい理由:中脳全体を通過する神経路として、漠然とした知識で「被蓋も通るだろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、中脳は被蓋、大脳脚、中脳蓋と詳細な部位に分かれているため、正確な位置関係が問われます。混同注意:中脳の他の伝導路(例えば、内側縦束や赤核脊髄路など、被蓋内を通るもの)と皮質脊髄路の経路を混同しやすいです。
- 3. この記述は正しいです。上小脳脚は中脳の被蓋部に投射し、中脳と小脳の主要な接続経路の一つです。小脳から大脳皮質や赤核への情報伝達に関与します。
- 4. この記述は正しいです。大脳脚は中脳の最も腹側部分を形成し、大脳皮質から脳幹や脊髄への主要な下行性神経路(皮質脊髄路、皮質延髄路など)を含んでいます。
- 5. この記述は正しいです。中脳蓋(四丘体)は中脳の最も背側に位置し、上丘(視覚反射)と下丘(聴覚反射)から構成されます。
国試ポイント
中脳の主要な解剖学的部位(中脳蓋、被蓋、大脳脚、黒質など)とその内部を通る主要な神経路の正確な位置関係を理解しているかを問う問題です。特に、重要な下行路である皮質脊髄路の通過部位は頻出です。
混同注意
中脳を構成する各部位(中脳蓋、被蓋、大脳脚)の名称と、それぞれに含まれる核や神経路を混同しやすいです。特に、皮質脊髄路と他の上行性・下行性伝導路(例:内側縦束、脊髄視床路、赤核脊髄路)の通過部位は正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、中脳以外の脳幹(橋、延髄)における主要な神経路の通過部位や、各部位に含まれる脳神経核の位置と機能についても問われる可能性があります。また、これら神経路の損傷による症状(例:ウェーバー症候群など)と関連付けて問われることもあります。
関連知識
中脳の解剖学的構造(四丘体、水道周囲灰白質、赤核、黒質など)、主要な伝導路(皮質脊髄路、内側毛帯、脊髄視床路、上小脳脚交叉など)、および関連する機能(視覚・聴覚反射、運動制御、意識レベル)について学習しておく必要があります。