臨床研究に関する倫理指針で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
臨床研究における倫理指針は、研究対象者の人権と尊厳を守ることを目的としており、その対象は生者だけでなく、故人の情報も含まれます。特に、個人情報保護の観点から、死者の生前の情報も慎重に取り扱う必要があります。これは、遺族の感情への配慮や、故人のプライバシー保護の観点からも重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 臨床研究で得られた個人を特定できる情報は、厳重に保護されるべき秘密情報であり、研究関係者であってもアクセスは限定されます。誰でも自由に閲覧することは許されません。正しくは:個人を特定できる情報は、厳重に保護され、アクセスは厳しく制限される。選びやすい理由:研究の透明性を重視するあまり、情報公開の範囲を広く捉えてしまう可能性がありますが、個人情報保護とは別の話です。混同注意:研究結果の公開と、研究で得られた個人情報の公開を混同しやすいです。研究結果は公開されても、個人情報は保護されます。
- 2. 正解。臨床研究の倫理指針は、生存している研究対象者だけでなく、過去の診療記録などから得られる故人の情報についても適用されます。これは、故人の尊厳を尊重し、プライバシーを保護するためです。
- 3. 薬物投与は、人の身体に直接的な影響を与える行為であり、一般的に侵襲的な行為に含まれます。そのため、事前の十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要です。正しくは:被験者への薬物投与は、侵襲的な行為に該当するとされている。選びやすい理由:日常的な治療としての薬物投与と混同し、研究における「侵襲性」の定義を軽く見てしまうことがあります。混同注意:採血や生体組織の採取のような明確な侵襲的行為だけでなく、薬物投与も侵襲的行為であるという認識が薄い場合があります。
- 4. 研究への参加は、被験者の自由意思に基づくものであり、被験者にはいつでも自由に同意を撤回し、研究から離脱する権利が保障されています。これはインフォームド・コンセントの重要な原則の一つです。正しくは:一度研究に参加を承諾しても、被験者はいつでも途中で参加を取りやめることができる。選びやすい理由:研究の継続性やデータの完全性を維持したいという研究側の視点と、被験者の権利を混同しやすいです。混同注意:研究計画への同意と、その後の参加継続の義務を混同しやすいです。被験者の意思は常に尊重されます。
- 5. 研究によって得られた個人情報や機密情報に対する守秘義務は、研究プロジェクトが終了した後も永続的に継続されます。これは、個人情報保護の観点から非常に重要です。正しくは:研究に関わる情報の守秘義務は、研究プロジェクトが終了した後も継続される。選びやすい理由:一般的な契約期間の終了と、研究における倫理的な義務の終了を混同してしまうことがあります。混同注意:研究データの公開と、個人情報の守秘義務を混同しやすいです。データは公開されても、個人情報は保護され続ける必要があります。
国試ポイント
臨床研究の倫理原則(インフォームド・コンセント、個人情報保護、研究対象者の権利、研究者の義務など)に関する基本的な理解を問う問題です。特に、倫理指針の適用範囲や、被験者の権利、研究者の責任について正確な知識が求められます。
混同注意
研究参加者の権利と研究実施者の都合、個人情報保護の範囲と情報公開の必要性、侵襲性の定義など、倫理指針の各要素が相互に複雑に関係するため、混同しやすい点が多数あります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、インフォームド・コンセントの具体的な内容(説明すべき事項)、研究データの匿名化の手法、特定個人情報の保護に関する詳細、研究計画書における倫理的配慮の記述方法などが問われる可能性があります。
関連知識
ヘルシンキ宣言、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針、個人情報保護法、インフォームド・コンセントの概念、守秘義務の重要性、研究公正に関するガイドライン。