体液性免疫で作動するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
体液性免疫は、B細胞が抗原と結合し、ヘルパーT細胞の助けを受けて形質細胞に分化し、抗体を産生することで成立します。産生された抗体が血液や体液中を循環し、病原体や毒素を排除することで生体を防御します。
選択肢ごとの解説
- 1. 単球は主に食作用に関わる細胞で、細胞性免疫や自然免疫で活動しますが、体液性免疫の直接的な作動細胞ではありません。マクロファージに分化し、抗原提示細胞として機能することはありますが、抗体産生は行いません。正しくは:単球はマクロファージに分化し、抗原提示細胞としてT細胞を活性化することで免疫応答に貢献する。選びやすい理由:免疫系の細胞であるため、選択肢として魅力的に映るかもしれませんが、体液性免疫の『作動』細胞ではない点が区別されるべきです。混同注意:マクロファージとの関連性や、抗原提示細胞としての役割と混同しやすいです。
- 2. 正解。B細胞は、抗原に結合し、ヘルパーT細胞の助けを借りて形質細胞に分化することで抗体を産生します。この抗体が病原体を排除するメカニズムが体液性免疫の中核をなします。
- 3. 好中球は食細胞の一種であり、主に細菌感染に対する初期の自然免疫応答において重要な役割を果たします。体液性免疫の直接的な作動細胞ではありません。正しくは:好中球は細菌などの病原体を貪食し、分解することで自然免疫の最前線で働く。選びやすい理由:白血球の一種であり、免疫細胞であるため、免疫応答全体に関わると誤解してしまいがちです。混同注意:食細胞という点でマクロファージや単球と混同しやすいですが、役割の主軸が異なります。
- 4. NK細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞を直接攻撃するリンパ球の一種で、主に細胞性免疫や自然免疫において機能します。抗体を介した免疫応答(体液性免疫)には直接関与しません。正しくは:NK細胞は特定の分子の発現異常を認識し、直接ターゲット細胞を破壊する。選びやすい理由:リンパ球の一種であるため、B細胞と同じくリンパ球と認識してしまいがちですが、機能が大きく異なります。混同注意:T細胞と同様に細胞性免疫に関わるため、それらと混同しやすいですが、抗原特異性を持たない点がT細胞とは異なります。
- 5. マクロファージは強力な食作用を持つ細胞であり、抗原提示細胞としても機能し、T細胞を活性化させることで獲得免疫を補助します。しかし、体液性免疫の『作動』細胞である抗体を産生するのはB細胞(形質細胞)です。正しくは:マクロファージは抗原提示細胞としてT細胞の活性化を促し、免疫応答を誘導する。選びやすい理由:免疫応答に深く関わる細胞であり、特に抗原提示細胞としての役割が重要であるため、体液性免疫と結びつけやすいですが、直接の抗体産生細胞ではありません。混同注意:抗原提示細胞としての役割と、抗体産生という体液性免疫の直接的な作動を混同しやすいです。
国試ポイント
免疫学の基本的な理解として、獲得免疫における体液性免疫と細胞性免疫の主要な作動細胞とその役割を明確に区別できるかが問われています。特に、どの細胞が抗体を産生するのかという中核的な知識が重要です。
混同注意
免疫系の細胞は多岐にわたり、それぞれが複雑な役割を担っているため、体液性免疫と細胞性免疫に関わる細胞、および抗原提示細胞と抗体産生細胞(B細胞)の役割が混同されやすいです。特にマクロファージや単球は抗原提示を通じて獲得免疫全体に関与するため、混同の元となりがちです。
次に同じ論点が出たら
この論点から次に問われる可能性があるのは、T細胞の種類(ヘルパーT細胞、キラーT細胞など)とその細胞性免疫における役割、抗原提示細胞の種類(マクロファージ、樹状細胞、B細胞)と機能、あるいは各種サイトカインが免疫応答に与える影響などが考えられます。
関連知識
免疫系には、生まれつき備わっている『自然免疫』と、特定の病原体に対して後天的に獲得される『獲得免疫』があります。獲得免疫はさらに、抗体による『体液性免疫』と、細胞が直接病原体感染細胞などを攻撃する『細胞性免疫』に分類されます。それぞれの免疫応答に関わる主要な細胞(B細胞、T細胞、マクロファージ、好中球、NK細胞など)の機能と相互作用を理解することが重要です。