オペラント条件付けが用いられる認知行動療法の技法はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
トークンエコノミー法は、特定の望ましい行動に対してトークンという交換可能な報酬を与え、その行動の頻度を増やすことを目的とします。これは、オペラント条件付けにおける「正の強化」の原理を直接的に適用した技法です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは古典的条件付け(特に拮抗条件付け)の原理に基づき、不安階層に沿って段階的に不安刺激に触れさせながら弛緩訓練を行い、不安反応を軽減する技法です。正しくは:古典的条件付けの原理を用いる技法です。選びやすい理由:恐怖症の治療に用いられるため、行動変容と関連する点で選択肢として目につくかもしれません。混同注意:オペラント条件付けと古典的条件付けの区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 2. これは筋の緊張と弛緩を意識的に練習することで、リラクゼーション状態を導くストレス緩和技法であり、直接的にオペラント条件付けを用いるものではありません。正しくは:これはリラクゼーション技法であり、直接的にオペラント条件付けの原理を応用するものではありません。選びやすい理由:行動療法の一部として不安管理に用いられるため、関連があるように感じるかもしれません。混同注意:他の行動療法技法と一括りにしてしまいがちですが、その作用機序は条件付けとは異なります。
- 3. この技法は、強迫性障害などで不安を生じさせる刺激に意図的に触れさせ(暴露)、通常行う強迫行為(反応)をさせないことで、強迫行為による一時的な不安軽減という負の強化サイクルを断ち切ります。これはオペラント条件付けの消去の原理に近いですが、主に古典的条件付けによる条件付けられた不安反応の消去を目的とし、オペラント条件付けによる直接的な行動の強化・弱化を主眼とするものではありません。正しくは:これは主に古典的条件付けにおける条件付けられた不安反応の消去を目的とする技法です。選びやすい理由:強迫行為という行動の変容を目指すため、オペラント条件付けが関わると誤解しやすいです。特に、負の強化を断ち切るという側面はオペラント条件付けと関連が深いですが、中心的な作用機序は古典的条件付けの消去です。混同注意:古典的条件付けにおける消去と、オペラント条件付けにおける罰や消去の区別が曖昧な場合に混同されやすいです。
- 4. これは、恐怖症や不安障害に対して、不安を引き起こす刺激に長時間・集中的に曝露させることで、不安反応が自然に減衰すること(慣れ・消去)を利用する古典的条件付けに基づく技法です。正しくは:これは古典的条件付けにおける消去の原理を応用した技法です。選びやすい理由:行動を変容させる、強い刺激を用いる療法であるため、オペラント条件付けと関連づけて考えてしまう可能性があります。混同注意:系統的脱感作法と同様に、古典的条件付けの原理を応用する技法です。オペラント条件付けとは区別が必要です。
- 5. 正解。トークンエコノミー法は、望ましい行動(オペラント行動)をした際に、報酬としてトークン(代用貨幣)を与え、それを集めて最終的に実際の報酬と交換するというシステムです。これは、望ましい行動を増加させる「正の強化」というオペラント条件付けの原理を明確に応用しています。
国試ポイント
認知行動療法の各技法が、どのような学習理論(古典的条件付け、オペラント条件付けなど)に基づいているかを正確に理解しているかが問われます。特に、それぞれの技法の作用機序を混同しないことが重要です。
混同注意
各行動療法技法が古典的条件付けとオペラント条件付けのどちらに基づくのか、またその具体的な機序(強化、弱化、消去、拮抗条件付けなど)を混同しやすい。特に、暴露反応妨害法は強迫行為の「反応妨害」という行動変容を含むため、オペラント条件付けと誤解されがちですが、主眼は条件付けられた不安の消去にあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられた各認知行動療法の技法が、どの学習理論(古典的条件付け、オペラント条件付け、観察学習など)に基づいており、具体的にどのような原理(強化、弱化、消去、拮抗条件付けなど)で効果を発揮するのかを細かく問われる可能性があります。
関連知識
古典的条件付け(パブロフの犬、系統的脱感作法、フラッディング、嫌悪療法)、オペラント条件付け(スキナー、強化、弱化、消去、般化、分化、トークンエコノミー法、シェイピング)、観察学習(バンデューラ)。それぞれの基本的な理論と代表的な応用技法を関連付けて理解しておく必要があります。