改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査〈JDDST-R〉で「母指と示指によるつまみ動作」の通過率75 %が含まれる時期はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
JDDST-Rにおける「母指と示指によるつまみ動作」の75%通過時期は生後12〜13か月です。これは、親指と人差し指の先端を対立させて小さな物を精密に把持する動作であり、微細運動発達の重要な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. この時期はまだ精密なつまみ動作は確立されていません。多くの子どもは手を口に持っていく、ガラガラを握るといった粗大な動きが中心です。正しくは:「手をおもちゃに伸ばし、掌全体で握る(粗大な把握)」など、より粗大な運動が中心です。選びやすい理由:発達の初期段階であるため、まだこの動作は期待されないことを理解していれば選択肢から除外できますが、漠然とした知識だと迷う可能性があります。混同注意:手を使った探索活動が始まる時期ですが、それは精密なつまみ動作とは異なります。
- 2. この時期は物を握り、両手で持ち替えたりしますが、親指と人差し指を対立させて精密につまむ動作はまだ完全ではありません。多くは掌全体を使うか、親指以外の指で挟むような動きが見られます。正しくは:「一方向から物をつまむ(ラッキンググラスプ)」など、まだ精密なピンチグリップではありません。選びやすい理由:物を意図的に掴むようになる時期なので、つまみ動作の始まりと混同しやすいかもしれません。混同注意:掌を使った把握(パルマーグラスプ)や指先を使った挟み動作(ラッキンググラスプ)と、精密なピンチグリップを混同しやすいです。
- 3. この時期には親指と人差し指を使ったつまみ動作の兆候が見られることが多いですが、まだ不安定であったり、完全に確立されていなかったりするため、75%の通過率には達しません。多くは不完全なピンチグリップです。正しくは:「不完全な母指と示指によるつまみ(ハサミつまみや、指の側面でのつまみ)」など、完成された精密つまみ動作ではないことが多いです。選びやすい理由:かなり精密なつまみ動作に近づいている時期であり、発達の早い子はこの動作を見せるため、選びやすいかもしれません。混同注意:不安定なピンチグリップや、指の側面で物をつまむ動作(ラテラルピンチ)と、完成されたピンチグリップを混同しやすいです。
- 4. 正解。JDDST-Rにおいて、「母指と示指によるつまみ動作」(いわゆるピンチグリップやピンサーグラスプ)が75%の子どもに観察されるのは、生後12〜13か月とされています。この時期は微細運動が大きく発達し、対象物を正確に把持できるようになります。
- 5. 15〜16か月では、「母指と示指によるつまみ動作」はすでにほとんどの子どもに確立されています。JDDST-Rでは、この時期にはより複雑な微細運動(例:積木を3個積む、クレヨンで線を描くなど)が通過項目となります。正しくは:「積木を3個積む」など、より高度な微細運動能力が期待される時期です。選びやすい理由:発達が進んだ時期であるため、この動作を確実にできる時期として選びたくなるかもしれません。しかし、75%通過ラインはもっと早い時期に設定されています。混同注意:「ほとんどの子どもができる時期」と「75%通過ラインの時期」を混同しやすいです。
国試ポイント
デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)の微細運動‐適応領域における主要な発達項目とその通過時期に関する正確な知識が問われています。特に、精密なつまみ動作の獲得時期を他の微細運動の段階と区別できるかどうかが重要です。
混同注意
他の粗大運動や言語、個人-社会性などの領域の発達時期と混同したり、JDDST-R以外の発達検査(例えば、新版K式発達検査やM-CHATなど)の通過時期と混同したりすることがあります。また、物を掴む動作全般と、精密な「母指と示指によるつまみ動作(ピンチグリップ)」を混同しやすいです。不完全なつまみ動作(ハサミつまみやラテラルピンチ)との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、JDDST-Rの各領域における代表的な発達項目と、その50%通過時期および75%通過時期を正確に把握しているかを確認することが重要です。特に、微細運動はADL獲得に直結するため、詳細な理解が求められます。
関連知識
JDDST-Rは、0歳から6歳までの子どもの発達をスクリーニングする検査で、個人‐社会、微細運動‐適応、言語、粗大運動の4つの領域で評価されます。「母指と示指によるつまみ動作」は微細運動‐適応領域に含まれます。微細運動の発達段階の例:3-4か月:物を掴む(握りこみ)、6-7か月:一方向から物をつまむ(ラッキンググラスプ)、物を持ち替える、9-10か月:不完全ながらも母指対立位でのつまみ、物をぶつける、12-13か月:母指と示指による精密なつまみ動作(ピンチグリップ、ピンサーグラスプ)、15-16か月:積木を2個、3個積む、クレヨンでなぐり書き。