出生後、消失するのが最も遅いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
足底把握反射は、通常生後9〜12ヶ月頃に消失すると言われており、提示された選択肢の中では最も遅く消失する原始反射です。立位や歩行といった粗大運動の発達に伴い、随意的な足の動きが優位になることで統合されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 吸啜反射は、通常生後3~4ヶ月頃に消失し、より随意的な摂食行動へと移行します。これは提示された中で最も遅く消失する反射ではありません。正しくは:消失時期は、足底把握反射よりも数ヶ月早く、比較的早期に統合されます。選びやすい理由:摂食という生存に不可欠な機能に関連するため、長く残る印象を持つかもしれませんが、これは早期に統合される反射です。混同注意:探索反射(Rooting reflex)と混同されやすいですが、両者とも乳児の摂食行動に関連する原始反射で、消失時期も比較的近いです。
- 2. ギャラント反射は、通常生後4~6ヶ月頃に消失します。これは足底把握反射よりも早期に消失します。正しくは:この反射の消失時期は、足底把握反射の消失時期よりも約半年前後早いです。選びやすい理由:他の主要な原始反射に比べて詳細な知識が不足している場合、その消失時期について不確実性を感じ、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:体幹の他の原始反射(例:非対称性緊張性頸反射)と混同することがあり、それぞれの消失時期を正確に区別する必要があります。
- 3. 手掌把握反射は、通常生後5~6ヶ月頃に消失します。これは乳児が随意的に手を使い始める時期と一致します。正しくは:足底把握反射の消失時期(9~12ヶ月頃)と比較すると、手掌把握反射の方が数ヶ月早く消失します。選びやすい理由:乳児が物を掴む行為は非常に印象的なため、長く残る反射だと誤解しやすいですが、足底把握反射の方がさらに長く残ります。混同注意:足底把握反射と名前が類似しているため、両者の消失時期を混同しやすいですが、手掌把握反射の方が早期に消失します。
- 4. 正解。足底把握反射は、一般的に生後9~12ヶ月頃(場合によっては15ヶ月頃)まで持続するとされており、提示された原始反射の中で最も遅く消失します。これは、乳児の立位や歩行といった粗大運動の発達に伴い、足の指の随意的なコントロールが発達する過程で統合されます。
- 5. 交叉性伸展反射は、通常生後1~2ヶ月頃に消失する、非常に早期に消える原始反射の一つです。正しくは:この反射の消失時期は、提示された選択肢の中で最も早い部類に入ります。選びやすい理由:刺激部位と反対側の複雑な反応を示すため、高度な反射と誤解し、長く残る反射だと判断してしまう可能性も考えられます。混同注意:この反射は脊髄レベルの反射であり、他の脳幹レベルや中脳レベルの反射とは、関わる神経系や統合時期が異なります。反射の種類とそれが関わる中枢レベルを混同しやすいです。
国試ポイント
原始反射の消失時期は、神経発達の指標として非常に重要であり、国家試験では頻出のテーマです。特に、他の反射と比較して消失時期が遅い/早い反射、あるいは消失せずに残存するとどのような問題が生じるか、といった観点から問われることが多いです。主要な原始反射の名称、誘発方法、反応、消失時期、および残存した場合の影響を網羅的に学習しておく必要があります。
混同注意
手掌把握反射と足底把握反射は名前が似ており、両者の消失時期を混同しやすいです。また、吸啜反射と探索反射、非対称性緊張性頸反射と対称性緊張性頸反射など、類似の機能を持つ反射群や、誘発方法が似ている反射群の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
同じ論点が出た場合、次に問われる可能性が高いのは、「各原始反射が消失しない場合に生じる問題点」や「特定の月齢で残存していると異常と判断される反射」についてです。また、特定の疾患(例:脳性麻痺)における原始反射の異常な持続や再出現についても知識が問われる可能性があります。
関連知識
原始反射の消失は、中枢神経系の成熟、特に上位中枢が下位中枢を抑制し、随意運動が優位になる過程を反映しています。原始反射が適切な時期に消失しない場合、運動発達の遅れや姿勢制御の問題、学習上の困難など、様々な発達上の問題を引き起こす可能性があります。作業療法士は、こうした反射の評価と、それらが生活機能に与える影響を理解することが求められます。