認知療法を発展させたのは誰か。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アーロン・T・ベックは、特にうつ病治療のために認知療法を開発したことで知られています。彼の理論は、思考の歪みが感情や行動に影響を与えるというもので、後にアルバート・エリスの論理情動行動療法と共に認知行動療法の中核をなすものとなりました。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アーロン・T・ベックは、うつ病の治療法として認知療法を開発し、その理論と実践を確立しました。この療法は、個人の認知(思考パターン)が感情や行動に影響を与えるという考えに基づいています。
- 2. ジークムント・フロイトは精神分析学の創始者であり、無意識の葛藤や幼少期の経験が精神疾患の原因となると考えました。認知療法とは異なる理論体系です。正しくは:ジークムント・フロイトは精神分析学を発展させました。選びやすい理由:心理学の歴史において非常に有名な人物であるため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:心理療法の創始者の一人である点で、ベックと混同する可能性は低いですが、心理療法全般の知識があいまいな場合に誤答するかもしれません。
- 3. カール・ロジャーズは来談者中心療法(パーソン・センタード・セラピー)を提唱しました。これは、自己概念、無条件の肯定的配慮、共感、一致が重視される人間性心理学に基づいた療法であり、認知療法とは異なります。正しくは:カール・ロジャーズは来談者中心療法を発展させました。選びやすい理由:ロジャーズも心理療法の大家であり、心理学の主要な人物として知られているため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:行動療法や精神分析療法といった他の主要な心理療法のアプローチと混同する可能性があります。
- 4. ハンス・J・アイゼンクは、性格の生物学的基盤や行動療法の効果研究で知られる心理学者ですが、認知療法の開発者ではありません。正しくは:ハンス・J・アイゼンクは性格理論や行動療法の効果研究に貢献しました。選びやすい理由:心理学の研究者として著名なため、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:行動療法と認知療法はしばしば認知行動療法としてまとめられますが、それぞれの理論的背景や開発者は異なります。アイゼンクは行動療法との関連が強いですが、認知療法ではありません。
- 5. ハリー・スタック・サリヴァンは対人関係論的精神医学の創始者であり、精神疾患が対人関係の障害に起因すると考えました。これも認知療法とは異なるアプローチです。正しくは:ハリー・スタック・サリヴァンは対人関係論的精神医学を発展させました。選びやすい理由:精神医学や心理学の分野で一定の知名度があるため、他の選択肢と同様に知識の曖昧さから誤って選ばれる可能性があります。混同注意:精神分析学の系譜に連なる人物であるため、フロイトなどと同じく深層心理や対人関係を重視するアプローチと混同するかもしれません。
国試ポイント
この問題は、主要な心理療法の開発者とその療法名を正確に結びつけられるかという知識を問うものです。特に、認知療法のような広く知られた療法の創始者は頻繁に出題されます。
混同注意
認知行動療法という言葉でまとめられるため、認知療法(ベック)と論理情動行動療法(エリス)の開発者が混同されることがあります。また、行動療法(スキナー、ワトソン、パブロフなど)の創始者との区別も重要です。心理療法の主要な人物とそれぞれの理論的アプローチを正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、他の主要な心理療法の創始者(例:論理情動行動療法のエリス、来談者中心療法のロジャーズ、行動療法のスキナーやワトソン)が問われる可能性が高いでしょう。また、各療法の基本的な理論的背景や適用疾患についても問われる可能性があります。
関連知識
精神分析療法(フロイト)、行動療法(スキナー、ワトソン)、来談者中心療法(ロジャーズ)、ゲシュタルト療法(パールズ)、家族療法など、主要な心理療法とその提唱者を把握しておくことが重要です。また、それぞれの療法の基本的な概念や介入方法についても理解が必要です。