評価法の説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
COPMは、クライエントが自身にとって意味のある作業活動の遂行度と満足度を、クライエント自身の視点から評価するツールです。これは作業療法におけるクライエント中心の評価の代表例であり、その特徴を正確に捉えた記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. SF-36は、健康関連QOL(Quality of Life)を包括的に評価するための尺度であり、身体機能、社会機能、精神的健康など8つの側面から構成されます。コーピングスキルを直接評価するものではありません。正しくは:SF-36は、健康関連QOL(Quality of Life)を包括的に評価する。選びやすい理由:健康状態全体を評価するツールであるため、ストレス対処能力にも関連があるように誤解されやすい。混同注意:他のストレス評価尺度(例:Ways of Coping Checklist)と混同しやすい。
- 2. 正解。COPMは、クライエント中心の実践に基づき、個人が日常生活で重要だと考える作業活動について、その遂行度と満足度を主観的に評価する半構造化面接法です。作業療法における重要な評価ツールの一つです。
- 3. 興味チェックリスト(Interest Checklist)は、対象者の過去から現在までの興味の対象(活動内容)を把握するためのものです。活動への興味があるかどうかの有無は確認できますが、その活動に対する満足感を直接評価するものではありません。正しくは:興味チェックリストは、対象者の興味の対象(活動内容)を把握する。選びやすい理由:興味の有無が満足感と関連するように思われがち。混同注意:MOHO関連の他の評価(例:作業役割評価)と混同しやすい。また、興味の有無と満足感は別の概念である。
- 4. 意志質問紙は、人間の作業モデル(MOHO)に基づき、クライエントの『意志(volition)』、すなわち活動への動機づけや価値観、興味などを観察を通して評価するツールです。精神的ストレスの程度を直接評価するものではありません。正しくは:意志質問紙は、対象者の『意志(volition)』、すなわち活動への動機づけや価値観、興味などを観察を通して評価する。選びやすい理由:意志や動機づけといった心理的な側面を扱うため、精神的ストレスと関連があると誤解されやすい。混同注意:うつ病尺度(例:BDI、PHQ-9)やストレス評価尺度(例:GHQ)と混同しやすい。
- 5. 老研式活動能力指標(Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence)は、高齢者の高次生活機能、特に手段的ADLや社会的役割活動、知的能動性などの自立度を評価するものです。筋力やバランスといった身体的な運動能力そのものを評価するものではありません。正しくは:老研式活動能力指標は、高齢者の高次生活機能(手段的ADL、社会的役割活動、知的能動性など)の自立度を評価する。選びやすい理由:高齢者の『活動能力』という名称から、身体的な運動能力を指すものと誤解されやすい。混同注意:身体機能評価バッテリー(例:Timed Up and Go Test、Berg Balance Scale)や基本ADL評価(例:BI)と混同しやすい。
国試ポイント
作業療法で用いられる主要な評価ツールの目的と内容を正確に理解しているかが問われています。特に、各評価法が『何を』『どのような方法で』『誰の視点から』評価するのかが重要です。クライエント中心の評価の代表例であるCOPMは頻出です。
混同注意
多くの評価法が提示されているため、それぞれの評価対象(QOL、コーピング、興味、意志、活動能力、運動能力など)が明確に区別できていないと誤答につながりやすいです。特に名称から受ける印象と実際の評価内容が異なるもの(例:興味チェックリスト、意志質問紙、老研式活動能力指標)は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、評価法の目的だけでなく、評価項目や実施方法(自己記入式、面接、観察など)、評価者の視点(客観的、主観的)についても確認する。また、各評価法がどの理論的枠組み(MOHO、クライエント中心、生態学的アプローチなど)に基づいているかを理解しているか問われる可能性がある。
関連知識
MOHOに基づく評価(興味チェックリスト、意志質問紙、作業役割評価、環境評価)、QOL評価尺度(SF-36)、ADL評価(BI、FIM、老研式活動能力指標)、高次生活機能評価、ストレス・コーピング評価。