多発性硬化症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
多発性硬化症は、多くの疫学研究で女性に多いことが報告されています。男女比は疾患タイプや地域によって差があるものの、一般的に女性の方が男性よりも発症率が高い特徴があります。これはホルモンなどの生物学的要因が関与している可能性が示唆されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。多発性硬化症は、男女比が1:2~3と女性に多く発症する傾向があります。
- 2. 多発性硬化症の患者は、体温の上昇によって神経症状が悪化することが知られています。これはウートホフ現象と呼ばれます。正しくは:体温が上昇すると、症状は悪化する傾向があります。選びやすい理由:一般的な炎症性疾患では体温上昇時に免疫反応が活発になるイメージから、何らかの良い作用があるのでは、と誤解する可能性があります。混同注意:ウートホフ現象と、一般的な発熱による免疫応答。
- 3. 多発性硬化症は、高緯度地域(赤道から離れた地域)で有病率が高いことが知られており、ビタミンD欠乏との関連も示唆されています。正しくは:地球の高緯度地域で有病率が高いとされています。選びやすい理由:温暖な地域で特定の疾患が多いというイメージから、選択しやすいかもしれません。しかし、MSは高緯度地域でリスクが上がります。混同注意:他の熱帯性疾患や感染症の地理的分布。
- 4. Phalenテストは手根管症候群の診断に用いられる検査であり、多発性硬化症とは直接関連がありません。多発性硬化症は中枢神経系の疾患です。正しくは:Phalenテストは多発性硬化症の診断には用いません。選びやすい理由:神経学的所見が多彩な疾患であるため、神経に関連する検査名があると、関係あるように見えてしまう可能性があります。混同注意:中枢神経疾患の検査と末梢神経疾患の検査。
- 5. 多発性硬化症は自己免疫疾患の一つであり、免疫系が過剰に反応して自己の神経組織を攻撃することで発症します。免疫不全状態とは異なり、免疫系の異常な活性化が原因です。正しくは:多発性硬化症は自己免疫疾患であり、免疫系の異常な活性化が発症に関与します。選びやすい理由:「免疫」というキーワードが入っているため、免疫に関連する病気であることは理解していても、自己免疫疾患と免疫不全の違いを混同しやすいです。混同注意:自己免疫疾患と免疫不全疾患。
国試ポイント
多発性硬化症の基本的な疫学(性差、地理的分布)、症状に影響を与える因子(ウートホフ現象)、そして一般的な神経学的検査との関連について理解しているかを問う問題です。自己免疫疾患としての特性も重要です。
混同注意
自己免疫疾患と免疫不全、中枢神経疾患と末梢神経疾患の症状・検査、環境因子(緯度と疾患の関連)。
次に同じ論点が出たら
多発性硬化症の患者のケーススタディが出た場合、初期症状、悪化要因(発熱、ストレス)、一般的なADLへの影響、およびリハビリテーション介入の注意点(例:疲労管理、体温調節)に注目して判断します。
関連知識
多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患であり、視力障害、感覚障害、運動麻痺、平衡機能障害など多彩な症状を呈します。再発と寛解を繰り返すタイプが最も多いです。診断にはMRI検査や髄液検査が用いられ、治療にはステロイドや免疫調整薬が使われます。ウートホフ現象(体温上昇による症状悪化)やLhermitte徴候(頸部前屈による電撃痛)は特徴的な所見です。