FIMの評定で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
FIMの評価基準において、「監視/準備(5点)」は、見守り、声かけ、指示、促し、物品の準備、装具のセッティング・装着など、直接的な身体的接触を伴わない介助が必要な状態を指します。選択肢1の「万能カフの装着を手伝ってもらう」という行為は、この「準備」の範疇に含まれるため、5点と評価されるのが正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。FIMにおいて、装具の準備や装着を介助してもらい、その後の動作を自力で行う場合は「監視/準備(5点)」に該当します。万能カフの装着介助はこの範疇です。
- 2. 介助者が物品を準備する行為は「監視/準備(5点)」に該当します。4点(最小介助)は、実際の動作の一部(25%未満)を身体的に介助する場合に適用されます。正しくは:「整容が5点の場合:洗顔する際に、介助者にタオルを持ってきてもらう。」が適切です。選びやすい理由:介助者が関与しているため完全自立ではないという点に着目すると、4点も介助ありの点数であるため、選んでしまう可能性があります。混同注意:身体的な直接介助(Minimal Contact Assist)と、物品準備・声かけなどの非接触介助(Setup or Supervision)の区別が曖昧だと混同しやすいです。
- 3. 介助者が下着やズボンを膝まで通す行為は、更衣動作全体の約25%〜50%程度の介助量に相当するため、「中等度介助(3点)」またはそれ以上となる可能性が高いです。4点(最小介助)は、介助量が25%未満の場合に適用されます。正しくは:「更衣(下半身)が3点の場合:介助者が下着やズボンを膝のあたりまで上げた後、残りの部分は自分で着ることができる。」が適切です(介助量が25%以上50%未満と判断できる場合)。選びやすい理由:「残りは自分で行う」という部分に注目し、介助量が少ないと誤解しやすいですが、膝まで通す行為は介助量として少なくありません。混同注意:FIMの「介助量の割合」の定義(25%未満、25-50%未満など)と具体的な動作内容の対応付けが曖昧だと混同しやすいです。
- 4. 介助者が物品を準備する行為は「監視/準備(5点)」に該当します。6点(修正自立)は、装具などを使用するものの、介助なしで動作を完遂できる状態を指します。正しくは:「トイレ動作が5点の場合:介助者に排泄後に使用する紙を用意してもらう。」が適切です。選びやすい理由:介助の介入がごくわずかであるため、6点に近いと感じるかもしれませんが、物品準備は介助行為に含まれます。混同注意:修正自立(6点)と監視/準備(5点)の区別、特に物品準備がどちらに該当するかで混同しやすいです。
- 5. 記憶補助のためのメモを自ら使用し、介助なしで生活できる場合は、道具を用いる「修正自立(6点)」に該当します。4点(最小介助)は、認知機能に対して25%未満の介助(例:ごく軽微な声かけや促し)が必要な場合に適用されます。正しくは:「記憶が6点の場合:自分からメモを活用することで、日常生活を問題なく送ることができる。」が適切です。選びやすい理由:「メモを使用する」という点で、何かしらの補助が必要な状態と捉え、自立ではないと誤解して介助の点数(4点など)を選んでしまうことがあります。混同注意:修正自立(6点)と、実際に介助を要する状態(5点以下)の区別、特に認知項目の道具利用の位置づけで混同しやすいです。
国試ポイント
FIMの点数評価は国家試験で頻出であり、特に「修正自立(6点)」と「監視/準備(5点)」の境界線、および各介助度(4点以下の具体的介助量)が問われやすい論点です。身体介護の項目だけでなく、認知機能や意思疎通の項目における評価基準も正確に理解しておく必要があります。
混同注意
修正自立(6点)と監視/準備(5点)の区別が最も紛らわしい点です。特に、装具の使用や物品の準備・装着介助がどちらの点数に該当するかは誤解されやすいです。また、各介助点数(4点、3点、2点)における介助量の具体的な割合(25%未満、25%以上50%未満など)の解釈も間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出題された場合は、まず設問が何点の評価を求めているのか(例:修正自立か、監視/準備か、最小介助か)を確認します。次に、具体的な動作内容がFIMのどのレベルの定義(7点〜1点)に合致するかを照合します。特に、物品の準備や装具の装着介助は5点、道具使用による自立は6点という基準を再確認し、介助の「割合」が明確に判断できるかどうかに注目して選択肢を検討してください。
関連知識
FIMは、運動項目と認知項目で構成されており、それぞれ複数の下位項目があります。各項目における評価基準(活動の構成要素、介助の種類、介助量)を詳細に把握することが重要です。また、FIMとBarthel Indexなどの他のADL評価スケールとの違いや、それぞれの特徴も理解しておくと良いでしょう。