作業分析で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
作業分析の基本原則として、複雑な作業を細分化し、各工程や要素を詳細に検討することで、困難な点や介入の必要な箇所を特定します。この段階的な分析によって、作業の構造や要求される能力、環境の影響などを具体的に把握することができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 作業分析では、対象者の能力だけでなく、作業が行われる物理的・社会的環境が作業遂行にどのように影響するかを評価します。環境は作業遂行に大きな影響を及ぼします。正しくは:周囲の環境は作業に大きな影響を与えます。選びやすい理由:作業分析というと対象者の能力に焦点が当たりがちですが、環境との相互作用も重要です。混同注意:作業分析が対象者の機能評価のみであるという誤解。
- 2. 作業を多角的に理解するためには、様々な角度から観察することが不可欠です。一方向のみでは情報が偏り、全体像を捉えきれません。正しくは:観察は多角的な視点から行います。選びやすい理由:効率性を考えて一方向からの観察を想定するかもしれませんが、それでは情報が不足します。混同注意:効率的な観察と、網羅的・多角的な観察の混同。
- 3. 正解。作業分析では、複雑な作業を要素となる小さい工程や動作に分解し、それぞれの段階を詳細に評価することで、困難な部分や改善点を特定します。これが作業分析の基本的なアプローチです。選びやすい理由:これは作業分析の最も基本的な理解を問う選択肢です。混同注意:作業分析の目的と手順の理解。
- 4. 作業分析の目的は、作業の過程全体を評価し、成功・失敗の原因や困難さの要因を特定することです。最終結果だけでなく、それに至るまでのプロセスが重要です。正しくは:分析は作業の過程全体を評価します。選びやすい理由:結果が全てだと考えがちですが、作業療法では結果に至るプロセスを重視します。混同注意:成果主義的な評価と、過程を重視する作業分析の評価の混同。
- 5. 作業分析は観察力や判断力、対象者との関係構築能力など、検査者の熟練度や経験に大きく依存する側面があります。経験豊富な検査者ほど、より精度の高い分析が可能です。正しくは:分析の精度は検査者の経験値に大きく左右されます。選びやすい理由:客観性を保つべきだという考えから選んでしまうかもしれませんが、実際には検査者のスキルが影響します。混同注意:客観的評価と、検査者の主観・経験の影響の区別。
国試ポイント
作業分析の基本的な定義、目的、実施方法、そして評価の際に考慮すべき要因(環境、観察方法、検査者の経験など)について正確な知識が問われています。単なる知識だけでなく、作業療法士として実際の臨床でどのように分析を行うべきかという実践的な理解が重要です。
混同注意
作業分析は、単に対象者の能力を測るだけでなく、作業と人、環境の相互作用を総合的に評価するプロセスであることを理解していないと、選択肢1や5のような誤った記述を選んでしまう可能性があります。また、結果だけでなく過程を重視する点もよく問われます。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、具体的な作業(例:料理、着替え)を挙げ、その分析における着目点や、困難な場合の介入方法について問われる可能性があります。また、標準化された作業評価ツール(例:AMPS)の特徴と比較して問われることも考えられます。
関連知識
作業療法における作業の定義、ICFの「活動」と「参加」、環境因子、作業遂行分析、活動分析、課題分析、対象者中心のアプローチ。