胃の分泌で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
迷走神経の刺激はアセチルコリンの放出を促し、壁細胞の直接刺激やG細胞からのガストリン放出、ECL細胞からのヒスタミン放出を介して胃酸分泌を強力に促進します。また、内因子は胃の壁細胞から分泌される糖タンパク質で、食事から摂取されたビタミンB12と結合し、回腸末端での吸収を可能にするために不可欠です。これらの知識は胃の生理学の基本であり、臨床においても重要な側面です。
選択肢ごとの解説
- 1. ヒスタミンはH2受容体を介して胃酸分泌を促進する作用があります。迷走神経やガストリンの作用を増強します。正しくは:ヒスタミンは胃酸の分泌を促進する働きがあります。選びやすい理由:分泌抑制系のホルモン(ソマトスタチンなど)と混同しやすいため。混同注意:ソマトスタチン、プロスタグランジンなど、胃酸分泌を抑制する因子と混同する可能性があります。
- 2. 正解。迷走神経はアセチルコリンを介して壁細胞からの胃酸分泌を直接促進し、G細胞からのガストリン分泌やECL細胞からのヒスタミン分泌も刺激することで、間接的にも胃酸分泌を促進します。
- 3. ガストリンは胃酸分泌を促進するホルモンであり、消化酵素ではありません。タンパク質を分解する消化酵素はペプシンです。正しくは:ガストリンは胃酸分泌を促進するホルモンです。選びやすい理由:消化に関わる物質であるため、消化酵素だと誤解しやすい。混同注意:ペプシンなどの消化酵素、または胃液に含まれるその他の成分と混同する可能性があります。
- 4. 正解。内因子(intrinsic factor)は胃の壁細胞から分泌され、回腸でのビタミンB12(外因子)の吸収を助ける糖タンパク質です。
- 5. ペプシノーゲンは主細胞から分泌されます。壁細胞からは胃酸(塩酸)と内因子が分泌されます。正しくは:ペプシノーゲンは主細胞から分泌されます。選びやすい理由:胃液の主要成分であるため、壁細胞から分泌されると誤解しやすい。混同注意:壁細胞と主細胞の機能、またはその他の胃腺細胞の役割と混同する可能性があります。
国試ポイント
胃の各細胞(壁細胞、主細胞、G細胞、ECL細胞など)から分泌される物質とその機能、および胃酸分泌を調節する神経性・液性因子(迷走神経、ガストリン、ヒスタミン、ソマトスタチンなど)の作用機序について、基本的な理解が問われる問題です。特に、分泌される細胞と物質の組み合わせ、および分泌促進・抑制因子の作用を正確に覚えているかが重要です。
混同注意
胃の様々な分泌物(胃酸、ペプシノーゲン、内因子、粘液など)と、それらを分泌する細胞の種類(壁細胞、主細胞、副細胞など)の組み合わせが混同しやすいです。また、胃酸分泌に関わるホルモンや神経伝達物質(ガストリン、ヒスタミン、アセチルコリン、ソマトスタチンなど)の作用(促進か抑制か)も混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、胃の各細胞が分泌する物質とその役割、および胃酸分泌の調節メカニズム(促進因子と抑制因子)に関する具体的な知識が問われると予想されます。特に、ホルモンや神経伝達物質の作用と、関連する疾患(胃潰瘍、悪性貧血など)の病態生理学的な理解が重要になります。
関連知識
胃腺の組織学的な構成(表層粘液細胞、副細胞、壁細胞、主細胞、G細胞、ECL細胞など)、それぞれの細胞が分泌する物質と機能。胃酸分泌の三相(頭相、胃相、腸相)とその調節メカニズム。消化管ホルモンの種類と機能(ガストリン、セクレチン、コレシストキニンなど)。ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)と内因子の関係。