悪性腫瘍はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
膠芽腫(glioblastoma)は、脳の膠細胞から発生する悪性度の極めて高い腫瘍で、急速な増殖と周囲組織への浸潤を特徴とします。WHO分類でもグレードIVに分類される最も悪性度の高い脳腫瘍の一つです。他の選択肢は一般的に良性腫瘍に分類されますが、その発生部位や大きさによっては重篤な症状を引き起こすことがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 下垂体腺腫は通常、良性の腫瘍であり、悪性転化することは稀です。正しくは:下垂体腺腫は良性腫瘍に分類されます。選びやすい理由:脳内に発生するため、重篤な症状を引き起こすことから悪性と誤解されやすいです。混同注意:脳腫瘍であることと、その症状の重篤さから、良性・悪性の区別がつきにくい場合があります。
- 2. 頭蓋咽頭腫は組織学的には良性腫瘍ですが、発生部位の関係上、周囲組織を圧迫し、治療が困難なことがあります。正しくは:頭蓋咽頭腫は良性腫瘍に分類されます。選びやすい理由:成長すると周囲の重要な構造に影響を与え、重篤な機能障害を引き起こすため、悪性と感じられるかもしれません。混同注意:良性腫瘍ですが、手術による摘出が難しく、再発しやすい性質が悪性と混同されやすいです。
- 3. 神経鞘腫は一般的に良性腫瘍で、転移することはなく、成長も比較的緩やかです。正しくは:神経鞘腫は良性腫瘍に分類されます。選びやすい理由:聴神経腫瘍などで知られ、神経症状を引き起こすため、その影響の大きさに悪性と思い込みやすいです。混同注意:脳神経に発生すること、また大きな腫瘍になった場合に神経症状が顕著になることから、悪性腫瘍と誤解されることがあります。
- 4. 正解。膠芽腫は最も悪性度の高い神経膠腫の一種であり、浸潤性が強く、予後不良な悪性腫瘍です。
- 5. 髄膜腫のほとんどは良性腫瘍であり、増殖速度は遅く、脳組織への浸潤は認められません。正しくは:髄膜腫の多くは良性腫瘍に分類されます。選びやすい理由:脳を圧迫することで様々な症状を引き起こすため、その影響の大きさから悪性と感じるかもしれません。混同注意:脳腫瘍の中で比較的多く、時に大きな腫瘍になることから、悪性腫瘍と混同されることがあります。ただし、一部には異型髄膜腫や退形成性髄膜腫といった悪性度の高いタイプも存在します。
国試ポイント
この問題は、主要な脳腫瘍の種類とその良性・悪性の鑑別知識を問うものです。単に名称を知っているだけでなく、悪性度や特徴を理解しているかが重要になります。特に、症状が重い良性腫瘍と悪性腫瘍の区別を正確に行えるかがポイントです。
混同注意
良性腫瘍であっても、その発生部位が重要臓器(脳など)である場合や、腫瘍が大きくなることで、重篤な症状や生命の危機を引き起こすことがあります。そのため、症状の重篤さと腫瘍の悪性度を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、各腫瘍のWHOグレード分類、治療法(手術、放射線、化学療法など)との関連、あるいは各腫瘍に特徴的な症状を問う可能性があります。
関連知識
脳腫瘍のWHO分類(グレードI〜IV)、各腫瘍の一般的な発生部位、症状、治療法、予後。特に、最も頻度の高い良性脳腫瘍(髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫など)と悪性脳腫瘍(膠芽腫、転移性脳腫瘍など)の区別は必須です。