患者に手本となる他者の振る舞いを見せて学んでもらう面接技術はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
モデリングは、観察学習の主要な技法の一つであり、患者さんが他者の行動を観察し、それを模倣することで新しい行動パターンやスキルを習得するのを促します。問題文の「手本となる他者の振る舞いを見せて学んでもらう」という説明に最も適切に合致します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。モデリングとは、手本となる行動を患者さんに見せ、その行動を観察・模倣することで新しい学習や行動変容を促す技法です。質問文の「手本となる他者の振る舞いを見せて学んでもらう」という記述に直接合致します。
- 2. コーチングは、目標達成に向けて自己の能力を引き出し、行動を促すサポートをすることを指します。手本を示すことよりも、患者さん自身の中から答えや行動を引き出すことに重点を置きます。正しくは:患者さんの自律的な行動変容や目標達成を、対話を通じてサポートする技法です。選びやすい理由:患者さんの学習を支援するという点で共通するが、具体的な方法が異なるため混同しやすいです。混同注意:患者の自律性を重んじる点で、モデリング(模倣を促す)とは対照的です。
- 3. シェイピングは、目標とする行動を細かく分解し、それぞれの小さなステップを達成するごとに報酬を与えることで、徐々に目標行動へと近づけていく技法です。他者の行動を真似るのとは異なります。正しくは:目標行動を小さなステップに分解し、段階的に強化することで望ましい行動を形成する技法です。選びやすい理由:行動変容を促す技法の一つなので、選びやすいかもしれませんが、方法論が異なります。混同注意:強化の原理に基づいている点で、観察学習であるモデリングとは異なります。
- 4. リフレーミングは、問題や状況に対する患者さんの見方や解釈(フレーム)を、別の視点から捉え直すことで肯定的な意味合いに変え、気分や行動を変容させる技法です。行動を真似る方法ではありません。正しくは:ある状況や問題の捉え方を、新しい視点から見つめ直すことで、意味づけを変容させる技法です。選びやすい理由:面接技法の一つとして有名なので、選択肢にあると選びたくなる可能性があります。混同注意:認知行動療法の一つですが、行動観察とは直接関係ありません。
- 5. プロンプティングは、患者さんが特定の行動を起こせるように、言葉やジェスチャー、身体的な誘導などのヒントや手がかりを与える技法です。手本を見せて観察させるモデリングとは異なります。正しくは:患者さんが望ましい行動をしやすいように、具体的な手がかりやヒントを与える技法です。選びやすい理由:行動を促すという意味では共通しますが、その方法が直接的誘導であるため、観察学習とは異なります。混同注意:モデリングは提示された手本を患者自身が模倣するが、プロンプティングは行動の開始や遂行を直接的に促す点で異なります。
国試ポイント
行動療法における主要な面接技法の内容を正確に理解しているかが問われています。特に、モデリング、コーチング、シェイピング、リフレーミング、プロンプティングといった基本的な概念と、それぞれの技法の具体的な方法論を区別できる知識が必要です。
混同注意
行動変容を促す様々な技法(シェイピング、プロンプティング、コーチングなど)と混同しやすいですが、それぞれの技法の具体的な手段や目的を明確に理解することが重要です。特に、モデリングは『観察と模倣』が核心です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の行動療法の技法(例:トークンエコノミー、タイムアウト、系統的脱感作、暴露反応妨害法など)の定義と適用場面、あるいは認知行動療法の他の技法(例:認知再構成法、思考記録)と区別できるかを問われる可能性があります。
関連知識
アルバート・バンデューラの社会的学習理論や、ミラーニューロンの概念などがモデリングの背景にある知識として重要です。また、行動療法の主要な概念(強化、消去、般化、弁別など)も関連知識となります。