ワルファリンの抗凝固作用に拮抗するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ワルファリンはビタミンKの機能を阻害することで、血液凝固に必要なビタミンK依存性凝固因子の生成を抑制し、抗凝固作用を発揮します。したがって、体内に十分な量のビタミンKを供給することで、ワルファリンの阻害作用を競合的に克服し、凝固機能を回復させることが可能です。このため、ビタミンKはワルファリンの抗凝固作用に対する拮抗薬(解毒剤)として用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンAは視覚、皮膚、粘膜の健康維持、免疫機能に関与しますが、ワルファリンの抗凝固作用に拮抗する直接的な機序はありません。正しくは:ワルファリンの作用に拮抗する代わりに、他のビタミンと同様に体内で異なる重要な生理機能を持っています。選びやすい理由:ビタミンの一種として、体内の様々な生化学反応に関わるため、知識が曖昧だと関連付けてしまう可能性があります。混同注意:他の脂溶性ビタミンや、特定の薬物との相互作用を持つ他の栄養素と混同するかもしれません。
- 2. ビタミンCはコラーゲン生成、抗酸化作用、免疫機能に関与しますが、ワルファリンの抗凝固作用に直接拮抗することはありません。むしろ、大量摂取によりワルファリンの作用を増強する可能性が指摘されることもあります。正しくは:ワルファリンの作用に拮抗する代わりに、水溶性ビタミンとしてコラーゲン合成や抗酸化作用など、体内で異なる重要な生理機能を持っています。選びやすい理由:一般的に健康に良いイメージがあるため、深く考えずに選んでしまう可能性があります。また、出血傾向に関連するビタミン(例:ビタミンK)と混同するかもしれません。混同注意:出血傾向を改善するビタミンKと役割が混同されやすいです。
- 3. ビタミンDはカルシウムとリンの代謝、骨の健康、免疫機能に関与しますが、ワルファリンの抗凝固作用に直接拮抗する機序はありません。正しくは:ワルファリンの作用に拮抗する代わりに、他の脂溶性ビタミンと同様に体内で異なる重要な生理機能を持っています。選びやすい理由:脂溶性ビタミンであるため、他の脂溶性ビタミン(特にビタミンK)と役割が混同されやすいです。混同注意:同じ脂溶性ビタミンであるビタミンKと役割を混同する可能性があります。
- 4. ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ちますが、ワルファリンの抗凝固作用に直接拮抗する機序はありません。むしろ、高用量のビタミンEは血小板凝集を抑制し、ワルファリンの作用を増強する可能性があるとされています。正しくは:ワルファリンの作用に拮抗する代わりに、他の脂溶性ビタミンと同様に体内で異なる重要な生理機能を持っています。選びやすい理由:脂溶性ビタミンであること、また抗酸化作用を持つことから、血液関連の機能に何らかの影響があるのではと推測して選ぶ可能性があります。混同注意:同じ脂溶性ビタミンであるビタミンKと役割を混同する可能性があります。
- 5. 正解。ワルファリンはビタミンKの作用を阻害することで抗凝固作用を発揮します。具体的には、ビタミンK依存性凝固因子(プロトロンビン、第VII因子、第IX因子、第X因子)の活性化に必要なビタミンKエポキシド還元酵素を阻害します。そのため、ビタミンKを投与することで、ワルファリンの阻害作用を競合的に打ち消し、凝固因子合成を回復させ、抗凝固作用に拮抗することができます。
国試ポイント
この問題は、経口抗凝固薬であるワルファリンの薬理作用機序(ビタミンK拮抗作用)と、その作用に拮抗する物質(拮抗薬・解毒薬)に関する基本的な知識を問うものです。特に、ワルファリンとビタミンKの関係性を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
ワルファリン以外の新しい経口抗凝固薬(DOACなど)の拮抗薬と混同しないように注意が必要です。また、ビタミンKの骨代謝における役割など、他の生理機能と混同することも考えられます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず問われている抗凝固薬がワルファリンであるか、それとも他の種類の抗凝固薬(例:DOAC、ヘパリンなど)であるかを確認します。その上で、それぞれの薬物の作用機序を想起し、その作用に特異的に拮抗する物質(解毒薬)を判断します。
関連知識
ワルファリンは、ビタミンK依存性凝固因子(プロトロンビン、第VII因子、第IX因子、第X因子)の生成に必要なビタミンKエポキシド還元酵素を阻害することで抗凝固作用を示します。このため、ワルファリン服用中の患者には、ビタミンKを多く含む納豆や青汁などの摂取が制限されることがあります。ビタミンK欠乏症は、出血傾向を引き起こす重要な原因の一つです。