家族心理教育について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
家族心理教育は、精神疾患を抱える家族に対して、病気の理解を深め、それによる家族の負担を軽減し、効果的な対処スキルを習得してもらうことを目的とします。これにより、家族自身のQOL向上や、患者の回復支援に繋がると考えられています。家族を病気の原因と捉えることはなく、一方的な指示伝達ではなく協働的なアプローチが重視され、対象も同居家族に限定されません。また、一度限りではなく継続的な実施が一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 家族心理教育は、継続的な情報提供と支援を通じて、家族が病状やケアについて理解を深め、効果的な対応を学ぶために、通常複数回にわたって実施されます。正しくは:家族心理教育は、継続的な支援と学習を促すため、複数回にわたって実施されることが一般的である。選びやすい理由:心理教育と聞くと、一度の説明会のようなイメージを持つかもしれないため。混同注意:単発のレクチャーやオリエンテーションと混同しやすい。
- 2. 家族心理教育は、精神疾患を家族のせいにするのではなく、家族をサポートシステムの一部と捉え、病気への理解を深め、対処能力を高めることを目的としています。スティグマの軽減が重要視されます。正しくは:家族心理教育は、家族を精神疾患の原因とするのではなく、病気を抱える家族への支援と捉え、負担軽減を目指すものである。選びやすい理由:過去には精神疾患の原因論として家族環境が注目された時期もあったため、そういった知識と混同する可能性がある。混同注意:古い精神疾患の病因論や、精神分析的なアプローチと混同しやすい。
- 3. 家族心理教育は、単なる指示伝達ではなく、家族が抱える疑問や不安に耳を傾け、対話を通じて共に問題解決を図る協働的なプロセスが重要です。一方的な情報提供に留まりません。正しくは:家族心理教育は、治療者と家族が対話を通じて共に学び、問題解決を図る協働的なプロセスを重視する。選びやすい理由:医療機関からの情報提供という意味で、指示や指導と捉えてしまう可能性があるため。混同注意:一般的な医療面談や指導と混同しやすい。心理教育の「教育」という言葉から一方的な教授を連想しがちだが、実際は対話的である。
- 4. 正解。家族心理教育の主な目的の一つは、精神疾患を持つ家族を支える上で、家族自身が病気について正しく理解し、適切な対処法を学び、ストレスを管理し、問題解決能力を高めることです。これにより、家族の負担軽減とQOL向上に繋がります。正しくは:正答のため修正不要。
- 5. 家族心理教育の対象は、必ずしも同居家族に限定されません。別居していても、患者さんのケアに関わる配偶者、親、兄弟姉妹など、広範な関係者が含まれることがあります。重要なのは、患者さんの支援に関わるキーパーソンであるかどうかです。正しくは:家族心理教育の対象は、当事者と同居の有無にかかわらず、支援に関わる重要な家族が含まれる。選びやすい理由:家族という言葉から、身近で生活を共にしている人をイメージしやすいから。混同注意:「家族」という概念を、同居している血縁者や法的な関係者に限定して捉えてしまうこと。
国試ポイント
家族心理教育の基本的な概念、目的、そして実施における原則を理解しているかが問われる問題です。特に、その目的が家族の「負担軽減」「対処能力向上」であること、そして「家族のせいではない」という視点が重要です。
混同注意
家族療法や支持的精神療法、あるいは単なる情報提供と混同しやすい。家族心理教育は教育的側面が強いが、一方的なものではなく、家族のエンパワーメントを目指す。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、家族心理教育の具体的な内容(例:病気の説明、対処スキルの指導、コミュニケーションの促進、ストレス管理など)や、集団形式・個別形式のメリット・デメリット、多職種連携におけるOTの役割について問われる可能性がある。
関連知識
精神保健福祉法、精神疾患のリカバリー概念、ストレングスモデル、家族ストレスモデル、スティグマ(社会的烙印)の軽減。精神科領域におけるOTの役割。リエゾン精神看護。