肝臓の機能で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
肝臓は、タンパク質代謝の最終産物であるアンモニアを尿素に変換する「尿素回路」の中心であり、体内の解毒作用として重要な「薬物代謝」も担います。これらの機能は生体維持に不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 成人において、血液細胞(特に赤血球やほとんどの白血球)の主な生成場所は骨髄です。肝臓は胎児期に造血機能を持つものの、成人ではその役割はごく限定的です。正しくは:「胎児期の造血」と限定すれば正しいです。選びやすい理由:肝臓が血液の重要な代謝に関わるため、血液の生成にも関与すると誤解されやすいですが、成人期では異なります。混同注意:骨髄の造血機能や、胎児期の肝臓の機能と混同しやすいです。
- 2. 胆汁は肝臓で生成されますが、貯蔵され、濃縮されるのは胆嚢です。肝臓自身は胆汁を分泌する器官であり、保管庫ではありません。正しくは:「胆汁の生成」であれば、肝臓の正しい機能です。選びやすい理由:胆汁が肝臓で作られるため、そのまま貯蔵もすると考えがちですが、貯蔵は胆嚢の役割です。混同注意:胆嚢の機能(胆汁の貯蔵・濃縮)と混同しやすいです。
- 3. 正解。肝臓は、タンパク質代謝の過程で生じる有毒なアンモニアを、尿素回路を通じて無毒な尿素に変換・合成する主要な器官です。この尿素は腎臓から体外へ排出されます。
- 4. 正解。肝臓は、摂取された薬物や体内で生じる様々な毒性物質(異物)を分解し、無毒化する(代謝・解毒)主要な機能を持っています。これは薬物動態において非常に重要な役割です。
- 5. グルカゴンは血糖値を上昇させるホルモンであり、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されます。肝臓はグルカゴンの標的臓器として、グリコーゲン分解や糖新生を促進しますが、自身が分泌するわけではありません。正しくは:「グルカゴンにより糖新生が促進される」などであれば、肝臓の機能に関連します。選びやすい理由:肝臓が糖代謝に深く関与するため、糖代謝調節ホルモンであるグルカゴンも分泌すると誤解されやすいです。混同注意:膵臓の機能(ホルモン分泌)と肝臓の機能(代謝調節)を混同しやすいです。
国試ポイント
肝臓の多様な機能の中から、特に代謝や解毒に関する重要な役割を正確に理解しているかどうかが問われる問題です。他の臓器の機能と混同しやすい選択肢が含まれており、各臓器の役割を区別して覚えている必要があります。特に、生成と貯蔵、分泌と作用といった違いに注意が必要です。
混同注意
肝臓は非常に多くの機能を持つため、他の臓器(骨髄、胆嚢、膵臓など)の機能と混同されやすいです。特に、ホルモンの分泌(膵臓)と作用(肝臓)、または物質の生成(肝臓)と貯蔵(胆嚢)の違いが狙われやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、肝臓の他の重要な機能(例:アルブミン合成、凝固因子合成、脂質代謝、ビタミン貯蔵)や、肝臓疾患(肝硬変、肝不全など)がこれらの機能に与える影響、または肝機能検査の項目と関連付けて問われる可能性があります。また、門脈循環や肝臓の構造と機能の関連性も重要です。
関連知識
肝臓の主な機能には、糖の代謝(グリコーゲン貯蔵・分解、糖新生)、脂質の代謝(コレステロール合成、脂肪酸分解)、タンパク質の代謝(アルブミン合成、凝固因子合成、アミノ酸代謝)、解毒作用(薬物・アルコール代謝、アンモニア解毒)、胆汁の生成、ビタミンの貯蔵などがあります。これらを包括的に理解することが重要です。