免疫グロブリンで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
IgGは胎盤を通過し、胎児に母親からの受動免疫を与える唯一の免疫グロブリンであるという特性は、免疫学における基本的な知識です。この性質により、新生児は出生後しばらくの間、感染症から守られます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。IgGは免疫グロブリンの中で最も分子量が小さく、唯一胎盤を通過できる特性を持っています。これにより、母親から胎児へ受動免疫が与えられます。
- 2. 唾液などの外分泌液(粘膜分泌液)に多く含まれる主要な免疫グロブリンはIgAです。IgMは主に血液中に存在し、初期免疫応答で重要な役割を果たします。正しくは:唾液中に含まれる主要な免疫グロブリンはIgAです。選びやすい理由:IgMも免疫グロブリンの一種であり体液中に存在するものの、唾液などの粘膜分泌液における主要な役割はIgAにあります。この分布の違いを見落とすと選択肢として選びやすくなります。混同注意:IgAとIgMの分布や主要な機能、特に粘膜免疫におけるIgAの役割と混同しやすいです。
- 3. 肥満細胞を活性化し、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質の放出を促すのはIgEです。IgDの主要な機能はB細胞の表面で抗原受容体として機能することなどが知られており、肥満細胞の直接的な活性化はしません。正しくは:肥満細胞を活性化するのはIgEです。選びやすい理由:免疫グロブリンが様々な免疫細胞と連携しているため、IgDも何らかの細胞活性化に関わると誤解しやすいです。特にアレルギー反応に関わるIgEと機能を混同しやすいでしょう。混同注意:IgDとIgEの機能(特にアレルギー反応におけるIgEの役割)と混同しやすいです。
- 4. 血漿中に最も多く存在する免疫グロブリンはIgGであり、全免疫グロブリンの約75%を占めます。IgAは血漿中ではIgGに次ぐ量ですが、分泌型IgAとして粘膜面で重要な役割を果たします。正しくは:血漿中に最も多く存在する免疫グロブリンはIgGです。選びやすい理由:IgAが粘膜免疫で非常に重要な役割を持つため、その存在量が全体的に多いと誤解する可能性があります。また、IgG以外の選択肢が明らかに誤っているように見えない場合、消去法で選んでしまうことも考えられます。混同注意:各免疫グロブリンの血中濃度割合、特にIgGとIgAの相対的な量と混同しやすいです。
- 5. 免疫グロブリン(抗体)は、抗原の刺激を受けてB細胞が形質細胞へと分化することで産生されます。T細胞は細胞性免疫の中心を担い、B細胞の抗体産生を補助するなど免疫応答の調節に関わりますが、免疫グロブリン自体を産生することはありません。正しくは:免疫グロブリンは、抗原の刺激を受けたB細胞が形質細胞に分化することで産生されます。選びやすい理由:T細胞も免疫応答において重要な役割を担うため、免疫グロブリンの産生にも関与すると誤解しやすいです。B細胞とT細胞の機能分担の理解が不十分だと選んでしまう可能性があります。混同注意:B細胞とT細胞の機能(特に抗体産生におけるB細胞の役割)と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、免疫グロブリンの各タイプ(IgG, IgA, IgM, IgD, IgE)の基本的な特徴、機能、および分布に関する知識を問うものです。特に、胎盤通過性、粘膜免疫、初期応答、アレルギー反応、血中濃度といった各Igの代表的な役割を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
免疫グロブリンの種類ごとの機能(例:IgAとIgMの分泌液における役割、IgDとIgEの細胞活性化における役割)、血中濃度の相対的な割合(IgGとIgA)、そして免疫グロブリンを産生する細胞の種類(B細胞とT細胞)が混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された際は、まず各免疫グロブリンの「特有のキーワード」を思い出せるかを確認しましょう。例えば、「胎盤通過=IgG」「分泌型=IgA」「初期免疫=IgM」「アレルギー=IgE」「抗体産生=形質細胞(B細胞由来)」といった明確な対応付けができていれば、正答を導きやすくなります。
関連知識
各免疫グロブリンの主要な機能は以下の通りです。IgG:血中最多、胎盤通過、二次免疫応答、オプソニン作用。IgA:分泌型(唾液、涙液、母乳、消化液など)、粘膜免疫。IgM:初期免疫応答、B細胞表面受容体(モノマー)、血中ではペンタマー(五量体)。IgD:B細胞表面受容体。IgE:Ⅰ型アレルギー反応、寄生虫感染防御、肥満細胞や好塩基球に結合。