上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
奇静脈は、下大静脈から血液を受け取り、上行して最終的に上大静脈に合流する重要な静脈であり、上大静脈系と下大静脈系とを結ぶ側副路として機能します。特に下大静脈が閉塞した際には、この経路が発達して代償的に血液を上大静脈へと送る役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。奇静脈は、下大静脈系から血液を受け取り、最終的に上大静脈へと合流することで、両大静脈系の側副路として機能します。特に下大静脈が閉塞した場合などに重要な役割を果たします。
- 2. 鎖骨下静脈は、腕からの血液を集め、内頸静脈と合流して腕頭静脈となり、上大静脈に注ぎます。これは上大静脈の主要な枝の一つであり、上大静脈と下大静脈を直接結ぶ血管ではありません。正しくは:鎖骨下静脈は上大静脈系の一部であり、上大静脈と下大静脈を連絡する静脈ではありません。選びやすい理由:「大静脈」という言葉の連想から、大きな血管である鎖骨下静脈を選びたくなるかもしれませんが、上大静脈と下大静脈の「連絡」という点が重要です。混同注意:上大静脈系を構成する主要な血管と、上大静脈系と下大静脈系を連絡する側副路を混同する可能性があります。
- 3. 上腸管膜静脈は、小腸や右側大腸からの血液を集め、脾静脈と合流して門脈を形成します。門脈は肝臓を通り、最終的には肝静脈を経て下大静脈に注ぎますが、上腸管膜静脈自体が上大静脈と下大静脈を直接連絡するわけではありません。正しくは:上腸管膜静脈は門脈系の一部であり、上大静脈と下大静脈を連絡する静脈ではありません。選びやすい理由:「静脈」という広いくくりで、体内の主要な静脈として誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:体循環の静脈系と門脈系の違いを理解していないと混同することがあります。
- 4. 腎静脈は、腎臓からの血液を下大静脈に直接注ぎます。これは下大静脈系の主要な枝の一つであり、上大静脈と下大静脈を連絡する血管ではありません。正しくは:腎静脈は下大静脈系の一部であり、上大静脈と下大静脈を連絡する静脈ではありません。選びやすい理由:下大静脈に流入する主要な血管であるため、関連があるように感じて選びやすいかもしれません。混同注意:下大静脈系の構成要素と、両大静脈系を橋渡しする側副路を混同する可能性があります。
- 5. 脾静脈は、脾臓、胃、膵臓からの血液を集め、上腸管膜静脈と合流して門脈を形成します。門脈は肝臓を経て下大静脈に注ぎますが、脾静脈自体が上大静脈と下大静脈を直接連絡するわけではありません。正しくは:脾静脈は門脈系の一部であり、上大静脈と下大静脈を連絡する静脈ではありません。選びやすい理由:こちらも体内の主要な静脈として選択肢に含まれているため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:体循環の静脈系と門脈系の違い、および門脈の解剖学的経路を理解していないと混同することがあります。
国試ポイント
本問題は、人体解剖学における静脈系の側副血行路に関する知識を問うものです。特に上大静脈系と下大静脈系をつなぐ主要な血管を正確に理解しているかがポイントとなります。
混同注意
上大静脈や下大静脈に直接流入する主要な血管(例: 鎖骨下静脈、腎静脈)と、両大静脈系を結ぶ「連絡路」としての奇静脈を混同しやすいです。また、門脈系の血管(上腸管膜静脈、脾静脈)も、その終着点が下大静脈系であることから、関連があるように見えて混同される可能性があります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、奇静脈系が具体的にどの静脈と吻合するか、または下大静脈症候群や上大静脈症候群の際に側副路としてどの血管が発達するか、といった臨床応用に関連する内容が考えられます。また、異なる部位の静脈系(例:脳の静脈、骨盤の静脈)の連絡路についても問われる可能性があります。
関連知識
奇静脈系(奇静脈、半奇静脈、副半奇静脈)の走行と主要な合流先、門脈系の構成と肝臓内での経路、大静脈系への流入経路、そしてそれぞれの解剖学的役割と、臨床的に側副路が発達する疾患(例:肝硬変による門脈圧亢進症、大静脈閉塞)について理解していると、より深く学べます。