心筋で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
心筋細胞は筋細胞と細胞外基質から構成され、細胞間には介在板(intercalated disc)が存在します。この介在板には、細胞間の接着を強固にする接着結合(デスモソーム)と、隣接する細胞間にイオンや低分子物質を直接行き来させるためのギャップ結合が含まれています。ギャップ結合により、心筋細胞間の電気的興奮が迅速に伝達され、心臓全体が協調して収縮することが可能となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 心筋は横紋筋であり、平滑筋とは細胞構造や機能が異なります。正しくは:心筋は横紋筋である。選びやすい理由:筋肉の種類という大分類で迷いやすい。心臓の不随意性から平滑筋を連想する可能性。混同注意:骨格筋(随意横紋筋)と平滑筋(不随意筋)と心筋(不随意横紋筋)の分類。
- 2. 心筋細胞は通常、1つまたは2つの核を持つ単核細胞です。多核であるのは骨格筋細胞の特徴です。正しくは:心筋細胞は通常、単核である。選びやすい理由:骨格筋が多核であるという知識から混同しやすい。混同注意:骨格筋細胞(多核)と心筋細胞(単核~二核)の細胞構造。
- 3. 正解。心筋細胞間にはギャップ結合(intercalated disc内のコネキソン)が存在し、電気的刺激を迅速に隣接細胞へ伝達することで、心臓全体が同期して収縮することを可能にしています。
- 4. 心筋は大量のエネルギーを必要とするため、主に好気性呼吸(酸化的リン酸化)によってATPを産生します。嫌気性呼吸は酸素供給が不足した場合に一時的に行われるのみです。正しくは:ATPは主に好気性呼吸によって産生される。選びやすい理由:短時間で多くのエネルギーが必要な場合に嫌気性呼吸というイメージから誤解する。混同注意:好気性呼吸と嫌気性呼吸の効率と利用条件。
- 5. 心筋の収縮は心臓内の特殊な細胞(洞房結節など)が自律的に発生させる電気的インパルス(自動能)によって開始されます。運動神経ではなく自律神経がその活動を調節しますが、収縮自体は心臓固有のものです。正しくは:心筋の収縮は心臓の刺激伝導系によって開始される。選びやすい理由:骨格筋が運動神経に支配されるという知識から、他の筋肉もそうだと考えやすい。混同注意:骨格筋(随意・運動神経支配)と心筋(不随意・自律神経による調節は受けるが、収縮開始は自動能)の神経支配。
国試ポイント
心筋の基本的な組織学的特徴と生理学的機能を問う問題です。特に骨格筋や平滑筋との違い、および心臓の自動能と刺激伝導系に関する知識が重要視されます。
混同注意
骨格筋、平滑筋との構造的・機能的違い(横紋/平滑、核の数、随意/不随意、神経支配、ATP産生経路など)。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、心筋の微細構造(サルコメア、T細管など)や、心電図の波形と刺激伝導系の関係、心臓のポンプ機能に影響を与える病態生理についても問われる可能性があります。
関連知識
心臓の刺激伝導系(洞房結節、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維)、介在板の構造と機能、心筋の活動電位、自律神経系による心拍調節。