装具療法の主たる目的でないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
装具療法は、失われた身体機能の補助、局所への負荷軽減(免荷)、疼痛の軽減、そして変形の矯正や予防が主な目的です。これに対し、装具自体が直接的に筋肉の力を強化する作用はありません。筋力強化は運動療法など他のリハビリテーション手段によって行われるため、装具療法の主要な目的とは言えません。
選択肢ごとの解説
- 1. 装具は、麻痺や筋力低下などで損なわれた運動機能や姿勢保持能力を補い、日常生活動作の遂行を支援することが目的です。例えば、足関節装具はドロップフットによる歩行障害を軽減します。選びやすい理由:装具の最も基本的な役割であり、多くの患者にとって重要な機能です。混同注意:機能代償や機能回復と混同されやすいですが、装具は主に代償の役割を担います。
- 2. 骨折や炎症、関節の変形などがある部位に対して、装具を用いて体重や外力による負荷を減らし、治癒を促進したり、症状を緩和したりします。例として、変形性膝関節症に対する免荷装具があります。選びやすい理由:痛みや変形がある部位を保護し、安静に保つ上で重要な目的として認識されやすいです。混同注意:「固定」と関連しますが、免荷は特に負荷の軽減に焦点を当てています。
- 3. 正解。装具は主に、すでに存在する筋力低下や麻痺を補完したり、関節を保護したりすることが目的であり、直接的に筋力そのものを増強する効果は通常期待されません。筋力強化は、装具と並行して行われる運動療法などの役割です。正しくは:筋力低下を補うこと、または筋力の維持・廃用予防を間接的に支援すること。選びやすい理由:リハビリテーションの一環として装具が使われるため、リハビリの目的である筋力強化も装具の目的だと誤解されることがあります。混同注意:筋力低下に対する「代償」と、筋力そのものの「強化」を混同しやすいです。
- 4. 装具は、患部の固定、免荷、異常な動きの制限などを通じて、痛みの原因となる刺激を減少させ、結果として疼痛を軽減する効果があります。例えば、脊柱管狭窄症におけるコルセットは痛みを和らげます。選びやすい理由:痛みの軽減は患者の生活の質向上に直結するため、装具の重要な目的の一つとして容易に認識されます。混同注意:痛みの「原因治療」と「症状緩和」の違いを混同することがありますが、装具は主に症状緩和に寄与します。
- 5. 小児の脊柱側弯症に対する装具(例:ミルウォーキーブレース)や、関節拘縮の予防・改善を目的とした装具など、変形の進行を抑制したり、既存の変形を徐々に改善させたりするために使用されます。選びやすい理由:特に成長期の子どもの整形外科領域において、変形矯正や予防は装具の重要な役割です。混同注意:変形の「進行予防」と「矯正」の両方が装具の目的となり得ます。
国試ポイント
装具療法の基本的な目的と、その限界、および他の治療法との役割分担を正確に理解しているかを問う問題です。装具が直接的に生体機能を改善するのではなく、主に補助、保護、代償の役割を果たすことを把握しておく必要があります。
混同注意
装具はリハビリテーションの一環として用いられるため、リハビリテーション全体の目的である「筋力強化」も装具の目的だと誤解しやすい点が挙げられます。装具は身体能力を「補う」ものであり、「高める」ものではないという区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題される場合、特定の装具が果たす具体的な機能(例:AFOは足関節の背屈を補助するが、背屈筋そのものを強化するわけではない)や、特定の疾患における装具の役割について、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
装具の種類と具体的な適応疾患(例:足関節装具、膝装具、脊柱装具、上肢装具)、運動療法の目的、物理療法、日常生活動作(ADL)指導など、リハビリテーション全般に関する知識が関連します。