変形性股関節症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
変形性股関節症の発症には、股関節への機械的ストレスが大きく影響します。重量物作業は、股関節に繰り返し大きな負荷をかけるため、軟骨の摩耗や変性を促進し、発症リスクを高める要因となります。これは変形性関節症の病態生理学的な理解に基づいています。
選択肢ごとの解説
- 1. 変形性股関節症の発症には遺伝的素因が関与すると考えられています。特に一次性の変形性股関節症ではその傾向が指摘されています。正しくは:発症には遺伝的要因が関与します。選びやすい理由:一般的な変形性関節症のイメージから、加齢や酷使など環境要因が主と思われがちですが、遺伝的素因も重要です。混同注意:変形性股関節症の原因が、純粋な外傷や特定の疾患に限定されると考えがちですが、遺伝的要素も無視できません。
- 2. 変形性股関節症は男性よりも女性に多く見られます。特に二次性股関節症の主要原因である発育性股関節形成不全も女性に多く、この影響が大きいです。正しくは:男性と比較して女性に多く見られます。選びやすい理由:変形性関節症全体では男性も少なくないため、混同しやすいです。混同注意:他の整形外科疾患や、一般的な関節症の男女比と混同しやすいです。
- 3. 日本の変形性股関節症は、欧米とは異なり、発育性股関節形成不全などの先行疾患に続発する二次性のものが全体の約80〜90%を占め、圧倒的に高頻度です。一次性のものは稀です。正しくは:原因が明らかな二次性のものが、原因が特定できない一次性のものより頻度が高いです。選びやすい理由:欧米のデータでは一次性が多いとされているため、知識が曖昧だと誤解しやすいです。混同注意:日本と欧米における変形性股関節症の疫学的な違いと混同しやすいです。日本の変形性股関節症の特徴を理解しているかが問われます。
- 4. 変形性股関節症と変形性膝関節症は、ともに下肢の荷重関節に生じる変性疾患であり、不良なアライメントや過度な負荷などが共通のリスク因子となるため、合併するリスクは低くありません。正しくは:変形性膝関節症を合併するリスクは高いです。選びやすい理由:別の関節の疾患であるため、関連性が薄いと考えるかもしれませんが、荷重関節の連鎖的な問題として合併が多いです。混同注意:上肢の関節疾患など、直接的な関連性が低い疾患との合併リスクとの違いと混同しやすいです。
- 5. 正解。重量物の持ち上げや運搬を伴う職業は、股関節に反復的かつ過度な負荷をかけるため、変形性股関節症の発症リスクを高めることが知られています。これは変形性関節症全般に言えるリスク因子です。選びやすい理由:変形性関節症の基本的なリスク因子(荷重負荷)を問う選択肢であり、理解していれば選びやすいです。混同注意:他の選択肢にある遺伝的要因や性差など、疫学的な側面との比較で迷うかもしれませんが、これは一般的なリスク要因として正しい記述です。
国試ポイント
変形性股関節症の疫学、特に日本における特徴、およびリスク因子に関する基本的な知識が問われています。特に、日本と欧米での一次性・二次性の頻度の違いや、性差について正確な理解が求められます。
混同注意
日本の変形性股関節症の疫学(二次性が多い)と欧米の疫学(一次性が多い)が混同されやすいです。また、性差についても他の関節疾患との比較で誤解が生じやすいです。
次に同じ論点が出たら
この論点から次に類題が出るとしたら、「変形性股関節症の病期分類」「具体的な症状」「保存療法の内容」「手術療法後のリハビリテーションの注意点」などが問われる可能性が高いです。また、同様に変形性膝関節症の疫学やリスク因子と比較させる問題も考えられます。
関連知識
変形性関節症全般の危険因子(加齢、肥満、過度な荷重、外傷、先天性異常など)、発育性股関節形成不全(臼蓋形成不全)の病態と疫学、変形性関節症の画像所見、理学療法・作業療法での評価と介入。