左右対称のインクのシミでできた図版を順番に提示する検査はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ロールシャッハテストは、左右対称のインクのシミ(ロールシャッハ図版)を提示し、それに対して被験者が何をどのように見たかを解釈することで、無意識の領域を含むパーソナリティを評価する代表的な投影法検査です。問題文は、このロールシャッハテストの最も特徴的な実施形式を正確に記述しています。
選択肢ごとの解説
- 1. バウムテストは、被験者に「木」の絵を描いてもらうことで、無意識の葛藤や性格特性を評価する投影法による検査です。インクのシミの図版を使用するものではありません。正しくは:被験者に自由に「木」の絵を描いてもらい、その絵から心理状態を読み取る検査です。選びやすい理由:同じく投影法に分類されるため、心理検査の知識が曖昧だと混同する可能性があります。混同注意:他の描画テスト(HTPテストなど)や、他の投影法テスト全般と混同しやすいです。
- 2. MMPIは、質問項目に対して「はい」か「いいえ」で回答する形式の自己記入式質問紙法によるパーソナリティ検査です。インクのシミの図版は使用しません。正しくは:多数の質問項目に回答することで、パーソナリティ特性や精神病理を多角的に評価する質問紙法検査です。選びやすい理由:パーソナリティ検査という点で共通しますが、実施形式が全く異なるため、混同は少ないかもしれません。しかし、心理検査の名前を知っているというだけで選択肢に入れてしまう可能性はあります。混同注意:他の質問紙法検査(Y-G性格検査、POMSなど)と混同しやすいです。
- 3. P-Fスタディは、欲求不満状況を描いた絵を見せ、被験者が登場人物のセリフを記入することで反応を分析する投影法による検査です。インクのシミの図版を使用するものではありません。正しくは:欲求不満状態の絵が提示され、登場人物のセリフを記入させることで、個人の欲求不満反応パターンを評価する検査です。選びやすい理由:同じく投影法に分類されるため、形式の知識が曖昧だと混同する可能性があります。混同注意:他の投影法検査(TATなど)と混同しやすいです。
- 4. 正解。ロールシャッハテストは、左右対称のインクのシミでできた図版(ロールシャッハ図版)を標準化された10枚用いて、被験者に何に見えるかを自由に語らせる投影法による人格検査です。問題文の記述と完全に一致します。
- 5. WPPSIは、幼児や児童の知能を測定するための検査で、言語性尺度と動作性尺度から構成される知能検査です。インクのシミの図版を使用するものではありません。正しくは:幼児や学齢前の児童の知能を、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度などの側面から多角的に測定する知能検査です。選びやすい理由:心理検査全般の選択肢の中に紛れ込んでいるため、知能検査と人格検査の区別が曖昧だと誤って選択する可能性があります。混同注意:他のウェクスラー式知能検査(WAIS、WISCなど)や、他の知能検査全般と混同しやすいです。
国試ポイント
主要な心理検査の名称と、その検査の目的、内容、実施形式(特に特徴的な視覚刺激)を正しく関連付けて理解しているかを確認しています。特に投影法検査の特徴的な図版に関する知識が問われています。
混同注意
投影法に分類される他の心理検査(バウムテスト、P-Fスタディ、TATなど)と、その使用する刺激材料を混同しやすいです。また、質問紙法や知能検査との実施形式の違いも曖昧な場合、選択肢を絞り込みにくくなります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、特定の心理検査の『実施形式』や『使用する刺激材料』、あるいは『測定目的』が問われる可能性が高いです。例えば、「物語の絵から想像力を働かせてもらう検査はどれか?」や「質問紙に回答する形式の性格検査はどれか?」など、具体的な特徴を問う形で出題されるでしょう。
関連知識
心理検査は、大きく知能検査、性格検査(質問紙法、投影法)、神経心理検査などに分類されます。投影法は、曖昧な刺激に対する反応から個人の内面を推測する検査であり、ロールシャッハテストはその代表格です。各検査の原理、目的、対象、具体的な実施方法を理解しておくことが重要です。