エネルギー代謝で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
安静時代謝量(RMR)は、除脂肪体重(主に筋肉量)と強く相関します。体重が減少すると、特に除脂肪体重が減少することが多いため、基礎的なエネルギー消費量が減少し、結果として安静時代謝量も低下します。これは、体が少ない質量を維持するために必要なエネルギーが少なくなるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 基礎代謝量(BMR)は、覚醒時の安静な状態で、生命維持に最低限必要なエネルギー量であり、食後12時間以上経過した空腹時に測定されます。一方、安静時代謝量(RMR)は、特別な食事制限なしに覚醒安静時に測定されるエネルギー量です。RMRには食事誘発性熱産生などが含まれるため、通常はBMRよりもRMRの方がわずかに大きいか同程度の値を示します。したがって、「基礎代謝量が安静時代謝量より大きい」という記述は誤りです。正しくは:基礎代謝量は、安静時代謝量より小さいか、ほぼ同じである。選びやすい理由:「基礎」という言葉から、最も基本的な代謝量であり、他の代謝量の基準になると誤解しやすい。混同注意:基礎代謝量(BMR)と安静時代謝量(RMR)の定義と測定条件。
- 2. 正解。安静時代謝量(RMR)は、主に除脂肪体重(筋肉量など)に比例します。体重が減少するということは、通常、脂肪だけでなく筋肉量も減少する可能性が高く、それに伴いエネルギーを消費する細胞の総量も減るため、RMRは低下します。特に、体重減少に伴う筋肉量の減少は、RMR低下の大きな要因となります。混同注意:体重減少が必ずしも代謝の低下を意味しない場合(例:減量初期の適応)。
- 3. 呼吸商(RQ)は、排出される二酸化炭素量と消費される酸素量の比(CO2排出量/O2消費量)で表されます。糖質の呼吸商は1.0、脂質は0.7、タンパク質は約0.8です。糖質の燃焼が多くなると、呼吸商は1.0に近づくため、減少するのではなく増加します。正しくは:糖質を多く燃焼するようになると、呼吸商は増加する。選びやすい理由:「燃焼」という言葉から、何かしらの数値が減少するようなイメージを抱きやすい。混同注意:呼吸商の定義と、各栄養素の呼吸商の数値。
- 4. 代謝当量(METs)は、身体活動の強度を表す単位であり、運動時のエネルギー消費量が安静時の何倍に相当するかを示します。この『安静時』の基準は、安静座位時のエネルギー消費量であり、具体的には安静時代謝量(RMR)を基準とします。基礎代謝量(BMR)を基準とするわけではありません。正しくは:代謝当量(METs)は、安静時代謝量を基準にしている。選びやすい理由:基礎代謝量と安静時代謝量の違いが曖昧な場合、最も基本的な「基礎代謝量」が基準になると誤解しやすい。混同注意:基礎代謝量(BMR)と安静時代謝量(RMR)の違い、およびMETsの定義。
- 5. エネルギー代謝率(RMR)という用語は一般的ではありません。類似の概念として運動強度を示す指標に「運動時エネルギー消費量と基礎代謝量(または安静時代謝量)の差を基礎代謝量(または安静時代謝量)で割ったもの」があります。しかし、選択肢の「エネルギー代謝率(RMR)」という表現自体が定義として不適切であり、また「安静時代謝量を基準に算出される」という記述も、何かの『率』が安静時代謝量そのものを基準にするという文脈が不明確です。一般的に運動強度を表すRelative Metabolic Rate (RMR)は、『運動時エネルギー消費量 - 基礎代謝量 / 基礎代謝量』で計算され、基礎代謝量を基準とします。この選択肢が示す『エネルギー代謝率〈RMR〉』が何を指すのか曖昧ですが、一般的に使われるRMR (Relative Metabolic Rate)であれば基礎代謝量が基準となります。正しくは:運動時のエネルギー代謝率は、基礎代謝量を基準に算出される。選びやすい理由:「RMR」という略語が安静時代謝量(Resting Metabolic Rate)と混同されやすく、そのまま正しいと感じる可能性がある。混同注意:RMRが安静時代謝量(Resting Metabolic Rate)の略であること、と、運動強度を表すRelative Metabolic Rateの混同。
国試ポイント
エネルギー代謝に関する基本的な用語(基礎代謝量、安静時代謝量、呼吸商、METsなど)の定義と、それらの関係性、変動要因を正確に理解しているかが問われます。特に、類似した用語の違いを明確に把握しておくことが重要です。
混同注意
基礎代謝量と安静時代謝量、METsの基準。呼吸商における各栄養素の数値。エネルギー代謝率(RMR)という用語の多義性(Resting Metabolic RateとRelative Metabolic Rate)。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、各代謝関連用語の厳密な定義とその測定条件、そして生理的変動要因(年齢、性別、体組成、疾患など)について確認する。特に、指標の基準となる値(例:METsが安静時活動を基準とする点)に注意する。
関連知識
基礎代謝量、安静時代謝量、活動時代謝量、食事誘発性熱産生、呼吸商(RQ)、代謝当量(METs)の定義と計算。体重変化がこれらの指標に与える影響。各栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の呼吸商。