細胞内小器官の働きで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
粗面小胞体は表面にリボソームが付着しているため、分泌タンパク質や膜タンパク質などのタンパク質合成の場となります。リボソームで合成されたタンパク質は小胞体内腔に取り込まれ、折りたたみや糖鎖付加などの修飾を受け、その後ゴルジ体へと輸送されます。この機能は細胞の恒常性維持に不可欠なものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 中心体は微小管形成中心として機能し、細胞分裂時に紡錘体を形成して染色体分離を助ける役割を担います。遺伝情報の転写は主に細胞核内で行われるプロセスです。正しくは:中心体は細胞分裂時に紡錘体を形成し、染色体の分離に関与する。選びやすい理由:「核」と似た「体」という言葉の響きや、細胞内で重要な役割を果たすことから、遺伝情報処理のような重要な機能も担っていると誤解されやすいかもしれません。混同注意:細胞核の機能(転写)や、細胞分裂における染色体分離の役割と混同しやすいです。
- 2. リソソーム(ライソソーム)は、細胞内の老廃物や不要な物質、外部から取り込まれた異物などを消化・分解する役割を持つ細胞小器官です。ATPを合成する主要な場所はミトコンドリアです。正しくは:リソソームは細胞内の不要な物質や異物を分解する。選びやすい理由:細胞にとって非常に重要な役割を持つ細胞小器官であるため、エネルギー産生という重要な機能も担っていると誤解する可能性があります。混同注意:ミトコンドリアの機能(ATP合成)と混同しやすいです。
- 3. 正解。粗面小胞体には多数のリボソームが付着しており、これらのリボソームで主に細胞外へ分泌されるタンパク質、細胞膜に組み込まれるタンパク質、またはリソソームへと送られるタンパク質などが合成されます。合成されたタンパク質は粗面小胞体内腔に取り込まれ、適切な高次構造へと折りたたまれたり、糖鎖が付加されたりします。
- 4. ゴルジ体(ゴルジ装置)は、粗面小胞体で合成されたタンパク質や脂質をさらに修飾、選別し、細胞内の特定の場所や細胞外へ輸送する役割を担います。細胞内の不要な物質の分解は主にリソソームの機能です。正しくは:ゴルジ体は粗面小胞体で合成されたタンパク質や脂質を修飾・選別し、適切な場所へ輸送する。選びやすい理由:ゴルジ体が細胞内の物質の輸送や加工に関わるため、広い意味での「処理」の中に分解も含まれると誤解する可能性があります。混同注意:リソソームの機能(物質分解)と混同しやすいです。
- 5. ミトコンドリアは、細胞のエネルギー源であるATPを合成する(酸化的リン酸化)主要な役割を持つ細胞小器官です。細胞分裂における染色体の分離は、主に中心体から形成される紡錘体によって行われます。正しくは:ミトコンドリアは細胞のエネルギー源であるATPを合成する。選びやすい理由:ミトコンドリアが細胞の生命活動に不可欠であることと、細胞分裂も重要なプロセスであるため、何らかの形で関与していると考える可能性があります。混同注意:中心体の機能(染色体分離)と混同しやすいです。
国試ポイント
細胞内小器官のそれぞれの基本的な機能について、正確な知識が問われています。特に、類似の機能を持つように見える小器官や、関連するプロセスに関わる小器官との違いを明確に理解しているかが重要です。
混同注意
粗面小胞体と滑面小胞体の違い、リボソームの役割、ゴルジ体、リソソーム、ミトコンドリア、中心体の各機能はそれぞれ混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、各細胞小器官がどのような種類の分子(タンパク質、脂質、核酸など)を扱い、それが細胞内のどのプロセス(合成、分解、輸送、エネルギー産生、遺伝情報の処理、細胞分裂など)に関わっているかを、明確に区別して理解しているかどうかが問われるでしょう。
関連知識
細胞内小器官の構造と機能、タンパク質合成のプロセス(転写と翻訳)、ATP合成のメカニズム、細胞分裂のプロセス(特に紡錘体形成と染色体分離)など、細胞生物学の基礎知識が関連します。