うつ病回復期前期の作業療法で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
うつ病の回復期前期は、症状が徐々に改善し、活動性や意欲が回復し始める時期です。この時期は、自身の病気に対する理解を深め、病気との付き合い方を学ぶ重要な段階です。集団での心理教育プログラムは、病気の症状や治療、再発予防に関する知識を体系的に学ぶ機会を提供します。また、他の患者さんと交流することで、孤立感を軽減し、共感を得ながら社会参加への足がかりとすることができます。これは、無理なく社会性を回復させ、今後の生活への準備を促す上で最も適切な介入と言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 回復期前期では、活動性や集中力の改善が見られるため、短時間過ぎる活動は意欲の減退につながる可能性があります。症状が重い急性期や導入期に適したアプローチです。正しくは:回復期前期では、患者さんの集中力や活動量に合わせて、活動時間を徐々に延長していくことが適切です。選びやすい理由:うつ病患者さんへの配慮として「無理をさせない」というイメージがあるため、全病期で当てはまるかのように錯覚しやすいです。混同注意:急性期や症状が不安定な時期の介入と混同しやすいです。
- 2. リワークプログラムは職場復帰支援を目的としており、回復期後期から社会復帰に向けた段階で実施されます。回復期前期はまだ症状が安定し始めたばかりで、本格的な職場復帰には早すぎます。正しくは:リワークプログラムは、職場復帰への具体的な準備段階である回復期後期以降に導入されるべきです。選びやすい理由:「回復期」という言葉から、社会復帰を連想しやすいためです。混同注意:回復期後期や維持期の介入と混同しやすいです。
- 3. 新しい生きがいを見出すことは、再発予防や生活の質の向上において重要ですが、これは回復期後期から社会適応期、あるいは維持期における中長期的な目標です。回復期前期では、まず症状の安定と基本的な生活リズムの再確立が優先されます。正しくは:新しい生きがいの発見は、症状がより安定し、生活基盤が確立された回復期後期以降に、患者さんの自己効力感を高める目的で支援されます。選びやすい理由:長期的な視点で見れば重要な目標であるため、一見正しいように見えます。混同注意:回復期後期や維持期の目標、あるいは再発予防の目的と混同しやすいです。
- 4. 再発予防に関する話し合いは非常に重要ですが、これも回復期後期から維持期にかけて行われるべきです。回復期前期では、患者さん本人の心身の回復に重点が置かれ、家族を含めた本格的な話し合いは時期尚早な場合が多いです。正しくは:再発予防に関する家族を含めた話し合いは、患者さんの病状が十分に安定し、今後の生活について現実的に考えられるようになる回復期後期以降に実施されるべきです。選びやすい理由:家族支援や再発予防はうつ病治療において重要な要素であるため、正しい選択肢に見えやすいです。混同注意:回復期後期や維持期の家族支援、心理教育内容と混同しやすいです。
- 5. 正解。回復期前期は、症状が安定し始め、自省や病気への理解を深める準備が整う時期です。集団での心理教育プログラムは、病気に対する理解を深め、再発予防に必要な知識や対処法を学ぶ機会となります。また、他者との交流を通じて社会性を徐々に回復させる機会ともなるため、回復期前期の作業療法として非常に適切です。他者との共感やロールモデリングを通じて、患者さんの孤立感を軽減し、回復へのモチベーションを高める効果も期待できます。
国試ポイント
うつ病の病期(急性期、回復期前期、回復期後期、維持期)に応じた作業療法介入の目的と具体的内容を正確に理解しているかが問われます。特に、「回復期前期」という特定の病期における、症状の改善度合いと社会参加への準備段階を把握している必要があります。
混同注意
急性期の介入(活動制限、休憩の確保、個別対応など)、回復期後期の介入(職場復帰支援、社会適応訓練、具体的な再発予防策の検討など)、維持期の介入(生活習慣の定着、自己管理能力の向上、生きがい活動の探求など)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず問題文で示されている病期(急性期、回復期前期、回復期後期、維持期など)を正確に確認し、その病期の患者さんの心身の状態、活動レベル、治療目標を頭の中で整理することが重要です。その上で、各選択肢がどの病期に最も適した介入であるかを判断し、提示された病期と合致するものを選ぶようにします。
関連知識
うつ病の病期分類とその特徴、各病期における作業療法の目的と目標、具体的な作業療法プログラムの内容(心理教育、生活リズム指導、認知行動療法、作業活動、レクリエーション、リワークなど)、うつ病における家族支援の重要性