四肢からの感覚神経伝導路について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
温度覚を伝える外側脊髄視床路では、一次ニューロンからの情報が脊髄後角で二次ニューロンに伝えられた後、すぐに脊髄内で反対側に交叉し、上行します。そのため、脊髄の各分節レベルで交叉すると表現されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 触覚(特に識別触覚や振動覚)の伝導路である後索路は、延髄で交叉します。正しくは:触覚の神経線維は延髄のレベルで反対側に交叉します。選びやすい理由:感覚伝導路の交叉部位に関する知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:脊髄視床路が脊髄で交叉するのと混同する可能性があります。
- 2. 圧覚は主に後索路(内側毛帯路)を通って伝わります。粗大な圧覚は脊髄視床路を通ることもありますが、問題文では「圧覚」と総称されているため、より主要な経路である後索路と考えるべきです。正しくは:圧覚の神経線維は主に後索路を通って脳に伝わります。選びやすい理由:粗大な圧覚が脊髄視床路を通るという知識があると、正解であると誤解しやすいです。混同注意:触覚を後索路、痛覚・温度覚を脊髄視床路と覚えている中で、「圧覚」の主要経路が後索路であることを忘れやすいです。
- 3. 正解。温度覚は脊髄視床路(外側脊髄視床路)を通ります。この経路の二次ニューロンは、脊髄の後角で一次ニューロンから情報を受け取った後、脊髄内の同一分節レベルで反対側に交叉し、上行します。選びやすい理由:この記述は正確に温度覚の伝導路の特性を説明しており、他の選択肢が誤りであることから消去法でも選びやすいです。混同注意:感覚の種類によって交叉する場所や経路が異なるため、混乱しやすいですが、温度覚の脊髄での交叉は基本的な知識です。
- 4. 感覚神経の一次ニューロンの細胞体は、脊髄神経節(後根神経節)に存在します。後角は二次ニューロンの細胞体が存在する場所です。正しくは:一次ニューロンの細胞体は脊髄神経節(後根神経節)に存在します。選びやすい理由:後角が感覚情報の中継点であるため、混同しやすいです。混同注意:一次ニューロンと二次ニューロンの細胞体の位置、および脊髄神経節と脊髄後角の区別と混同しやすいです。
- 5. 痛覚の伝導路(脊髄視床路)では、一次ニューロンは脊髄の後角で二次ニューロンとシナプスを形成します。つまり、二次ニューロンは脊髄の後角で始まります。正しくは:痛覚の伝導路では、脊髄の後角で二次ニューロンが始まります。選びやすい理由:感覚伝導路が脳幹部で交叉・中継されるという漠然とした知識から、延髄を中継点の一つとして誤解する可能性があります。混同注意:後索路が延髄で二次ニューロンになることと混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、体性感覚(特に四肢からの触覚、圧覚、温度覚、痛覚)の主要な伝導路(後索路、脊髄視床路)における神経細胞の配置(一次・二次ニューロンの細胞体位置)と交叉部位に関する基本的な知識を問うものです。各感覚の種類とそれに特有の経路、そしてどこで交叉するのかを正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
感覚伝導路は、経路が複雑で、どの種類の感覚がどの経路を通るか、どこで何次ニューロンが始まり、どこで交叉するかが混同しやすいポイントです。特に、後索路(深部感覚、識別触覚、振動覚など)と脊髄視床路(痛覚、温度覚、粗大な触覚など)の違いと、それぞれの交叉部位(後索路は延髄、脊髄視床路は脊髄)が頻繁に問われます。また、一次ニューロンと二次ニューロンの細胞体の位置もよく狙われます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、各感覚の種類(触覚、圧覚、温度覚、痛覚、深部感覚など)に対して、以下の情報を正確に判断できるかを確認します。 1. 主にどの伝導路(後索路か脊髄視床路か)を通るか。 2. 一次ニューロン、二次ニューロン、三次ニューロンの細胞体がそれぞれどこにあるか。 3. 伝導路が脳のどのレベル(脊髄、延髄、橋、中脳)で反対側に交叉するか。
関連知識
・後索路(内側毛帯路):深部感覚、識別触覚、振動覚などを伝達。脊髄神経節(一次)→脊髄後索を上行→延髄(二次、交叉)→視床→大脳皮質。 ・脊髄視床路(外側・前脊髄視床路):痛覚、温度覚、粗大な触覚、圧覚などを伝達。脊髄神経節(一次)→脊髄後角(二次、交叉)→脊髄外側索・前索を上行→視床→大脳皮質。 ・脊髄神経節(後根神経節):感覚神経一次ニューロンの細胞体が存在。