腎臓から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
腎臓は排泄機能だけでなく、内分泌器官としての重要な役割も担っています。レニンは血圧調節に関与し、エリスロポエチンは赤血球の産生を促進するホルモンであり、これらは腎臓から分泌されます。他の選択肢のホルモンはそれぞれ松果体、甲状腺、下垂体後葉といった腎臓以外の内分泌器官から分泌されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。レニンは腎臓の傍糸球体細胞から分泌され、血圧の調節に関わるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の最初の段階を担う重要なホルモンです。
- 2. メラトニンは主に脳の松果体から分泌されるホルモンで、概日リズム(睡眠・覚醒サイクル)の調節に中心的な役割を果たします。腎臓からは分泌されません。正しくは:脳の松果体から分泌される。選びやすい理由:ホルモンであることは確かですが、分泌源が腎臓ではないため誤りです。ホルモン名を覚えているだけで分泌臓器まで正確に覚えていない場合に選びやすいです。混同注意:他の一般的なホルモンや神経伝達物質。また、特定の臓器と結びつけずにホルモンとして認識されている場合。
- 3. カルシトニンは甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるホルモンで、血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。腎臓からは分泌されません。正しくは:甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞)から分泌される。選びやすい理由:カルシウム代謝に関わるホルモンであり、腎臓もカルシウムの排泄・再吸収に関与するため、関連があると感じてしまうかもしれませんが、分泌臓器は異なります。混同注意:副甲状腺ホルモン(パラトルモン)や活性型ビタミンDなど、他のカルシウム代謝調節ホルモン。
- 4. バソプレシン(抗利尿ホルモン)は、視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。腎臓の集合管に作用して水分の再吸収を促進しますが、腎臓自体が分泌するわけではありません。正しくは:視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌される。選びやすい理由:腎臓に直接作用し、水の再吸収を調節する機能を持つため、腎臓から分泌されると誤解しやすいです。作用部位と分泌臓器の混同が起こりやすい選択肢です。混同注意:腎臓を標的臓器とするホルモンと、腎臓が分泌するホルモン。
- 5. 正解。エリスロポエチンは主に腎臓の皮質尿細管周囲の間質細胞から分泌される糖タンパク質ホルモンで、骨髄での赤血球産生を促進する作用があります。
国試ポイント
ホルモンの分泌臓器とその生理作用に関する基礎知識が問われる問題です。特に、腎臓が内分泌機能を持つこと、および主要なホルモンについて『分泌される場所』と『主な働き』を正確に結びつけて覚えているかが試されます。複数の正解を選ぶ形式であるため、各選択肢の知識を確実に把握している必要があります。
混同注意
この種の問題では、「ホルモンが作用する標的臓器」と「ホルモンを分泌する臓器」の混同が最も頻繁に起こります。特に、腎臓が標的となるホルモン(例:バソプレシン、アルドステロン)について、腎臓自体から分泌されると誤解しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われた場合、単に分泌臓器を覚えるだけでなく、「分泌臓器」「標的臓器」「主な生理作用」「関連する疾患」のセットで知識を整理しておくことが求められます。特に、一つの臓器が複数のホルモンを分泌する場合や、一つのホルモンが複数の標的臓器を持つ場合について深掘りされる可能性があります。
関連知識
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の詳細なメカニズム、腎性貧血とエリスロポエチンの関連性、および主要な内分泌腺(下垂体、甲状腺、副腎、膵臓など)が分泌するホルモンとその生理作用について学習しておくことが重要です。