温痛覚の経路はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
温痛覚は、侵害受容器や温点・冷点受容器で感知され、脊髄の後根神経節にある一次ニューロンを経て脊髄に入ります。脊髄の後角で二次ニューロンとシナプスを形成した後、すぐに反対側に交差し、脊髄の白質外側部を上行します。この経路が外側脊髄視床路であり、視床の腹側後外側核(VPL)で三次ニューロンとシナプスを形成し、大脳皮質の体性感覚野へと伝わります。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊髄小脳路は、筋や関節からの固有受容感覚(位置覚や運動覚など)を小脳に伝える経路であり、温痛覚とは異なります。正しくは:固有受容感覚を小脳に伝える経路。選びやすい理由:脊髄と名の付くため感覚伝導路の一部と誤解しやすいですが、温痛覚とは直接関係ありません。混同注意:後索路(深部感覚)や脊髄視床路(表在感覚)と混同しやすいが、それぞれ伝わる感覚の種類と目的の脳部位が異なります。
- 2. 皮質脊髄路は、大脳皮質から脊髄へ下行し、随意運動を指令する運動神経経路です。感覚伝導路ではありません。正しくは:大脳皮質から脊髄へ指令を伝え、随意運動を制御する運動経路。選びやすい理由:脳と脊髄を結ぶ主要な経路の一つであるため、重要そうに見えますが、これは運動路です。混同注意:脊髄視床路(感覚)と皮質脊髄路(運動)は名称が似ていますが、伝導方向と機能が全く異なります。
- 3. 前脊髄視床路は粗大な触覚や圧覚を伝える経路であり、温痛覚の主要な伝導路ではありません。温痛覚は主に外側脊髄視床路が担当します。正しくは:粗大な触覚や圧覚を伝える経路。選びやすい理由:脊髄視床路の一部であり感覚伝導路であるため、温痛覚と関係があると誤解しやすいですが、主な感覚の種類が異なります。混同注意:外側脊髄視床路と混同しやすいが、伝達する感覚の種類(前脊髄視床路は粗大触覚・圧覚、外側脊髄視床路は温痛覚)が異なります。
- 4. 網様体脊髄路は、脳幹の網様体から脊髄へ下行し、姿勢制御や筋緊張の調整などに関わる運動系の経路です。感覚伝導路ではありません。正しくは:姿勢制御や筋緊張の調整に関わる運動経路。選びやすい理由:脊髄と名の付くため神経経路の一つとして候補になりますが、これは感覚ではなく運動系の一部です。混同注意:他の下行性運動路(皮質脊髄路、赤核脊髄路など)と機能が類似していますが、感覚伝導路ではありません。
- 5. 正解。外側脊髄視床路は、脊髄の後角でシナプスを形成した後、反対側に交差し、視床を経由して大脳皮質の体性感覚野に温覚(温度覚)と痛覚(痛み)を伝達する主要な上行性感覚伝導路です。
国試ポイント
神経伝導路の名称と、それが伝達する感覚の種類や運動機能の組み合わせを正確に理解しているかを問う問題です。特に、主要な感覚伝導路(脊髄視床路、後索路)と運動伝導路(皮質脊髄路、網様体脊髄路など)の機能的な違いがよく出題されます。
混同注意
前脊髄視床路(粗大触覚・圧覚)と外側脊髄視床路(温痛覚)は、どちらも脊髄視床路の一部であり、表在感覚を伝えるため混同しやすい。また、運動路と感覚路の区別も重要。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要な神経伝導路(上行性感覚路:脊髄視床路、後索路;下行性運動路:皮質脊髄路、赤核脊髄路など)それぞれが、どのような感覚や運動機能に関与しているかを区別できるかを確認する問題が予想されます。特に、各経路が脊髄のどの部位を通るか、どこで交差するか、なども重要なポイントです。
関連知識
脊髄視床路は、表在感覚(触覚、圧覚、温覚、痛覚)を伝える経路の総称。このうち、外側脊髄視床路は温痛覚、前脊髄視床路は粗大触覚・圧覚を担う。一方、深部感覚(位置覚、振動覚、識別触覚)は後索路(薄束・楔状束)を上行する。