左下肢の運動時の図を示す。左上前腸骨棘のすぐ遠位に筋緊張を触知する筋はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
縫工筋は上前腸骨棘を起始とし、大腿前面を斜めに内下方へ走行します。そのため、上前腸骨棘のすぐ遠位かつ内側で触診できる筋は縫工筋が最も適切です。他の選択肢の筋は、起始部や走行がこの触診部位とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. 大腿直筋は上前腸骨棘と寛骨臼上縁から起始しますが、上前腸骨棘のすぐ遠位というよりは、より中央に位置し、大腿四頭筋の一部を構成します。触診部位としては、大腿前面の中央部になります。正しくは:上前腸骨棘のすぐ遠位で触知されるのは、大腿直筋ではなく縫工筋です。選びやすい理由:大腿直筋も上前腸骨棘から起始するため、起始部の位置を混同しやすいです。混同注意:縫工筋と大腿直筋の起始部
- 2. 薄筋は恥骨結合の下部から起始し、大腿の内側に位置します。上前腸骨棘のすぐ遠位という触診部位には該当しません。正しくは:薄筋は恥骨結合下部から起始する内転筋群の一つで、大腿内側に位置します。選びやすい理由:内転筋群の一部として、股関節周囲の筋として誤って選択される可能性があります。混同注意:大腿内側筋群と大腿前面筋群
- 3. 半腱様筋は坐骨結節から起始し、大腿の後面に位置するハムストリングスの一部です。上前腸骨棘のすぐ遠位という大腿前面外側の触診部位には全く当てはまりません。正しくは:半腱様筋は坐骨結節から起始するハムストリングスの一つで、大腿後面を走行します。選びやすい理由:下肢の筋として漠然と選ばれる可能性がありますが、位置が大きく異なります。混同注意:大腿後面筋群と大腿前面筋群
- 4. 半膜様筋も半腱様筋と同様に坐骨結節から起始し、大腿の後面に位置するハムストリングスの一部です。上前腸骨棘のすぐ遠位という大腿前面外側の触診部位には当てはまりません。正しくは:半膜様筋は坐骨結節から起始するハムストリングスの一つで、大腿後面を走行します。選びやすい理由:下肢の筋として漠然と選ばれる可能性がありますが、位置が大きく異なります。混同注意:大腿後面筋群と大腿前面筋群
- 5. 正解。縫工筋は上前腸骨棘から起始し、斜めに大腿前面を内下方に走行します。そのため、上前腸骨棘のすぐ遠位、かつ少し内側に筋緊張を触知することができます。これは大腿前面外側から内側へ走る唯一の筋であり、この位置での触診は縫工筋に特有です。正しくは:正しい選択肢です。
国試ポイント
この問題は、下肢の主要な筋の起始・停止、走行、およびその触診部位に関する知識を問うものです。特に、ランドマーク(上前腸骨棘)を基準にした筋の位置関係を理解しているかが重要になります。
混同注意
大腿直筋も上前腸骨棘から起始するが、その走行と触診部位は縫工筋とは異なります。上前腸骨棘『すぐ遠位』という表現がポイントです。また、内転筋群(薄筋など)やハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋など)は起始部や走行が大きく異なるため、混同しにくいですが、大まかな位置関係の知識が不足していると誤答につながる可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の主要なランドマーク(例:坐骨結節、大転子、脛骨粗面など)を基準とした筋の触診部位や、特定の動作における筋の働きについて問われる可能性があります。また、画像(MRIやエコー)を用いて筋を同定する問題も考えられます。
関連知識
股関節屈筋群、膝関節屈筋群、膝関節伸筋群、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯、大腿三角の構成筋。