精神障害者の雇用や就労支援で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
精神障害者は2018年4月1日の障害者雇用促進法改正により、法定雇用率の算定対象に含まれることになりました。これにより、事業主は精神障害者も含む障害者の雇用を促進する義務があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 就労移行支援の標準的な利用期間は原則として2年間です。1年間ではありません。正しくは:就労移行支援サービスの標準的な利用期間は2年間です。選びやすい理由:期間に関する知識が曖昧な場合、数字の「1」が短く覚えやすいと感じるかもしれません。混同注意:自立訓練(機能訓練・生活訓練)の標準利用期間も2年間であることと混同しやすいですが、就労移行支援も同じく2年間です。また、他の障害福祉サービスにおける利用期間の原則と混同する可能性があります。
- 2. 正解。精神障害者は、2018年4月1日より法定雇用率の算定対象に加わっており、企業の障害者雇用義務の対象となっています。これは障害者雇用促進法の改正によるものです。
- 3. 障害者就業・生活支援センターは、就労を希望する障害者に対し、就業面と生活面の一体的な支援を提供する機関であり、利用者と直接雇用契約を結ぶことはありません。雇用契約は企業と利用者の間で締結されます。正しくは:障害者就業・生活支援センターは、利用者と雇用主との間の雇用契約を仲介・支援する役割を担います。選びやすい理由:「支援」という言葉から、雇用に関するあらゆる業務を行うと誤解しやすいかもしれません。特に『就業』という言葉から、雇用主としての役割を連想する可能性もわずかにあります。混同注意:障害者就労支援事業所の形態(例えば、就労継続支援B型事業所など、利用者と賃金契約を結ぶ事業所)と混同する可能性があります。就業・生活支援センターはあくまで相談支援機関です。
- 4. 個別支援付き雇用プログラム(IPS: Individual Placement and Support)は、障害者が早期に一般就労に就くことを目指し、その後の職場定着支援を重視するモデルです。就労前の訓練よりも、就労後の継続的な支援に重きを置きます。この選択肢の記述は逆になっています。正しくは:個別支援付き雇用プログラム(IPS)は、就労前の訓練よりも、就労後の継続的なサポートを重視しています。選びやすい理由:『訓練を重視』という部分が、就労支援の一般的なイメージと合致するため、正しい選択肢だと誤解しやすいかもしれません。特に「訓練」という言葉は支援と結びつきやすいです。混同注意:一般的な就労移行支援サービスが就労前の準備訓練を重視するのに対し、IPSは「Place and Train(配置して訓練する)」のアプローチを取り、就労後の支援に重きを置く点で異なります。
- 5. 就労定着支援は、就職後の障害者が職場に定着できるよう、生活面を含めた幅広い相談支援を提供しますが、業務上のスキルアップに特化した専門支援ではありません。業務スキルアップは企業内でのOJTや他の訓練機関が担うことが多いです。正しくは:就労定着支援は、職場定着に必要な生活面や健康面、人間関係などの相談支援を行います。選びやすい理由:「定着」という言葉から、業務上のスキルアップも含まれると考えるのは自然な発想です。特に業務能力の向上が定着に不可欠だと考えるため、正しいと感じやすいです。混同注意:就労移行支援や就労継続支援で行われる職業訓練やスキルアップ支援と混同しやすいです。就労定着支援は、より包括的な生活支援と定着支援が中心です。
国試ポイント
この問題は、障害者雇用促進法、障害者総合支援法に基づく就労支援制度の概要と、各サービスの具体的な内容を正確に理解しているかを問うものです。特に法改正による変更点や、各サービスの役割の違いが重要です。
混同注意
法定雇用率の算定対象となる障害の種類や、各就労支援サービスの利用期間・提供内容・目的を混同しやすいです。特に、IPSや就労定着支援など、比較的新しい概念やサービス内容の理解が問われます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、法定雇用率の具体的な数値、合理的配慮の具体例、各就労支援サービスの利用者像や連携について問われる可能性があります。また、精神障害者の特性を踏まえた雇用管理に関する知識も重要になります。
関連知識
障害者雇用促進法の目的と主要な制度(法定雇用率、障害者雇用納付金制度、雇用に関する合理的配慮の提供義務など)、障害者総合支援法に基づく就労系障害福祉サービス(就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援)の概要、障害者就業・生活支援センターの役割、個別支援付き雇用プログラム(IPS)の原則。