職場のハラスメントに該当するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
職務権限を不適切に行使し、業務と無関係な私的な雑用を強制することは、労働者の業務範囲を逸脱しており、精神的な苦痛を与えたり、職場環境を著しく悪化させたりするパワーハラスメントに該当します。これは、職場におけるいじめ・嫌がらせの一種として認識される行為です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは職員のパフォーマンスを最大限に引き出し、負担を軽減するための適切な業務管理であり、ハラスメントには当たりません。正しくは:この行為は業務上の適切な判断であり、修正の必要はありません。選びやすい理由:「調整」という言葉が、一部の人にとっては不利益に感じる可能性もゼロではありませんが、文脈上はポジティブな意味合いです。混同注意:不適切な業務量の割り当て(過小な業務しか与えないなど)と混同することが稀にありますが、「能力に応じて」という点が適切性を示しています。
- 2. 正解。職務権限を逸脱し、本来の業務ではない個人的な雑用を強制的に行わせる行為は、パワーハラスメントに該当する可能性があります。労働者の尊厳を傷つけ、労働環境を悪化させる行為です。
- 3. 従業員の勤務状況を管理し、問題行動に対して指導を行うことは、雇用主の正当な権限と責任の範囲内であり、職場秩序維持のために必要な行為です。ハラスメントには該当しません。正しくは:この行為は業務上の適切な判断であり、修正の必要はありません。選びやすい理由:指導のやり方によっては「きつい」と感じる人もいるかもしれませんが、無断欠勤という事態に対する指導自体は正当な行為です。混同注意:過度な叱責や人格否定を伴う指導(不適切な指導)と、正当な業務指導とを混同する可能性があります。ここでは「指導を行う」という表現に不適切さは含まれていません。
- 4. 守秘義務の遵守は医療・福祉分野における基本的な職業倫理であり、実習生に対してこれを指導することは、専門職としての育成上極めて重要かつ適切な行為です。ハラスメントではありません。正しくは:この行為は業務上の適切な判断であり、修正の必要はありません。選びやすい理由:特段、選びやすい要素はありません。混同注意:特段、混同しやすい要素はありません。
- 5. 従業員のスキルアップやキャリア形成を目的として、挑戦的な業務を任せることは、OJT(On-the-Job Training)の一環として推奨される育成手法です。適切なサポートがあればハラスメントには当たりません。正しくは:この行為は業務上の適切な判断であり、修正の必要はありません。選びやすい理由:「やや高度な業務」という点が、「無理な業務」や「過度な負担」と誤解される可能性もありますが、「育成のため」という目的が明確であれば、ポジティブな意味合いと解釈されます。混同注意:過度な業務負荷(キャパシティを著しく超える業務量)や、何のサポートもなく責任だけを負わせる行為と混同する可能性があります。
国試ポイント
ハラスメント、特にパワーハラスメントの定義と、業務上の正当な指導・指示、人材育成との区別が問われています。単に「厳しい」「苦手」と感じるだけでなく、客観的に見て不当な言動や行為であるかどうかが判断基準となります。
混同注意
正当な業務指示、人材育成のための指導、職務上の注意・叱責と、ハラスメント(特にパワーハラスメント)との線引き。線引きのポイントは、行為の目的、内容、態様、影響、そして業務上の必要性や相当性です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、以下の点に着目して判断します。1. 行為の目的:正当な業務上の目的があるか、個人的な感情や嫌がらせが目的か。2. 行為の内容:社会通念上許容される範囲か、個人の尊厳を傷つけるものか。3. 行為の頻度・継続性:一度きりの出来事か、継続的に行われているか。4. 対象者の受け止め方:主観的な不快感だけでなく、客観的に見て不利益や精神的苦痛を与えているか。5. 職務上の必要性や相当性:その行為が業務上本当に必要であったか、適切な方法であったか。
関連知識
労働施策総合推進法(パワーハラスメント対策に関する事業主の義務)、ハラスメント防止のためのガイドライン、職場におけるハラスメントの種類(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど)、倫理綱領、組織のハラスメント対策。