過形成で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
過形成は、細胞数の増加による組織や臓器のサイズの増大を特徴とする適応反応です。この反応は、特定の刺激(ホルモン作用、慢性的な炎症など)によって引き起こされますが、その刺激が取り除かれれば、過剰に増殖した細胞も減少に転じ、組織は元の状態に戻るか、それに近い状態に回復します。これは過形成が可逆的な変化であることを示しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 過形成は細胞数の増加を特徴とする状態です。正しくは:過形成では細胞の数が増加します。選びやすい理由:細胞容積の増大(肥大)と混同すると、細胞数に変化がないと誤解する可能性があります。混同注意:細胞肥大(hypertrophy)
- 2. 過形成は持続的な刺激や慢性的な刺激によって生じることが多いです。急性刺激では、より急激な細胞傷害や炎症反応が起こりやすいです。正しくは:過形成は、持続的な刺激や慢性的な刺激によって生じることが多いです。選びやすい理由:炎症反応が急性刺激で起こるため、その類推から誤解する可能性があります。混同注意:急性炎症反応
- 3. 個々の細胞のサイズが大きくなるのは「肥大」であり、過形成は細胞数が増加する現象です。正しくは:個々の細胞のサイズが大きくなるのは肥大であり、過形成は細胞数が増加する現象です。選びやすい理由:過形成と肥大はしばしば同時に発生するため、両者の区別が曖昧になりやすいです。混同注意:細胞肥大(hypertrophy)
- 4. 正解。過形成は、特定の刺激に対する適応反応であり、その刺激がなくなれば、細胞の異常な増殖も止まるのが原則です。これは可逆的な変化であることを示しています。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:特になし。過形成の基本的な特性を理解していれば正しいと判断できます。混同注意:悪性腫瘍(癌細胞は刺激がなくなっても増殖が止まらない)
- 5. 過形成は細胞数の増加を伴うため、結果として臓器全体のサイズも大きくなるのが一般的です。正しくは:過形成では細胞数の増加に伴い、臓器のサイズも増大します。選びやすい理由:細胞肥大も臓器サイズを増大させるため、両者を混同していると誤解する可能性があります。混同注意:細胞レベルでの変化と臓器レベルでの変化の連動
国試ポイント
病理学における細胞の適応(肥大、過形成、萎縮、化生など)の基本的な定義とその特徴を正確に理解しているかが問われています。特に、過形成と肥大の区別、そして過形成の可逆性についての知識が重要です。
混同注意
細胞肥大(hypertrophy)との混同が最も多く見られます。肥大は細胞個々のサイズの増大、過形成は細胞数の増加です。また、悪性腫瘍(癌)とは異なり、過形成は原則として可逆的で、刺激消失後に増殖が停止する点が鑑別点となります。
次に同じ論点が出たら
この問題で過形成の定義を理解できたか。次に類似の問題が出た場合、過形成と肥大の明確な違いを説明できるか、また過形成が生理的なものか病的なものか、可逆的か不可逆的かの区別ができるかをチェックします。
関連知識
細胞の適応には、肥大(hypertrophy)、過形成(hyperplasia)、萎縮(atrophy)、化生(metaplasia)があります。それぞれ、細胞サイズ、細胞数、細胞機能、細胞の種類の変化を伴います。これら各適応がどのような刺激で生じ、どのような結果をもたらすのかを理解することが、病態生理を理解する上で不可欠です。また、過形成には生理的過形成(例:妊娠中の子宮筋層、乳腺)と病的過形成(例:子宮内膜過形成、前立腺肥大症)があります。