免疫反応で最初に産生されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
免疫応答において、抗原に初めて曝露された際に最初に産生される抗体はIgMです。B細胞は活性化されると形質細胞へと分化し、まずIgMを産生します。その後、T細胞の助けを借りてクラススイッチが起こり、IgGなどの他の免疫グロブリンが産生されるようになります。IgMは多量体構造(通常五量体)を持つため、効率的に多数の抗原と結合し、初期の感染防御に貢献します。
選択肢ごとの解説
- 1. IgAは、粘膜免疫において主要な役割を果たす免疫グロブリンです。唾液、涙、母乳、消化液などに多く含まれ、病原体の侵入を防ぐバリア機能として機能します。初回の免疫反応で最初に産生されるわけではありません。正しくは:IgAは主に粘膜面での防御に関与し、初回の免疫応答の初期段階で産生されるのはIgMです。選びやすい理由:感染防御において重要な役割を担うため、免疫反応の初期段階に存在する印象を持つかもしれませんが、産生される場所や機能が異なります。混同注意:IgMとIgGの役割、特に初回の応答と二次応答での主要な抗体との混同。
- 2. IgDはB細胞の表面に発現しており、B細胞が活性化されるための抗原受容体として機能します。血中濃度は非常に低く、他の免疫グロブリンのように病原体を直接排除する役割は小さいとされています。初回の免疫反応で最初に産生される抗体ではありません。正しくは:IgDは主にB細胞表面の抗原受容体として機能し、初回の免疫応答の初期段階で大量に産生される抗体ではありません。選びやすい理由:B細胞の活性化に関わるため、免疫応答の開始に関与する印象を受けるかもしれません。混同注意:B細胞の活性化という点で、免疫応答の「始まり」に位置づけられるIgMの役割と混同する可能性があります。
- 3. IgEは、アレルギー反応や寄生虫感染防御において重要な役割を果たす免疫グロブリンです。肥満細胞や好塩基球の表面受容体に結合し、アレルゲンや寄生虫抗原と結合するとヒスタミンなどの化学伝達物質を放出し、炎症反応を引き起こします。初回の免疫反応で最初に産生される抗体ではありません。正しくは:IgEはアレルギーや寄生虫感染に関与し、初回の免疫応答の初期段階で産生される抗体はIgMです。選びやすい理由:免疫反応の一種であるアレルギーに関わるため、免疫応答の初期段階に登場するイメージがあるかもしれません。混同注意:感染防御における他の免疫グロブリンの役割との混同。
- 4. IgGは、血液中に最も多く存在する免疫グロブリンで、胎盤を通過できる唯一の抗体です。二次免疫応答において主要な役割を果たし、長期的な免疫記憶や病原体の排除に貢献します。初回の免疫応答の初期段階では、IgMが先に産生され、その後IgMからIgGへのクラススイッチが起こります。正しくは:IgGは二次免疫応答で主役となる免疫グロブリンであり、初回の免疫応答で最初に産生されるのはIgMです。選びやすい理由:血液中で最も豊富であり、感染防御の主役であるため、最初に産生されると誤解しやすいです。混同注意:初回免疫応答(primary immune response)と二次免疫応答(secondary immune response)における抗体の動態。
- 5. 正解。IgMは、身体が特定の抗原に初めて遭遇した際(一次免疫応答)に、B細胞がプラズマ細胞に分化して最初に産生する免疫グロブリンです。五量体構造を持ち、高い親和性で抗原と結合し、補体経路を活性化することで効率的に病原体を排除します。これが最も早く検出される抗体です。
国試ポイント
免疫グロブリンの各種類(IgA, IgD, IgE, IgG, IgM)の基本的な役割、特に一次免疫応答と二次免疫応答における産生される順序や主要な免疫グロブリンについて問われることが多いです。特定の疾患(アレルギー、自己免疫疾患など)との関連性も重要です。
混同注意
一次免疫応答で最初に産生されるIgMと、二次免疫応答で主要な役割を果たすIgGとの混同がよく見られます。また、それぞれの免疫グロブリンがどのような部位や機能に関与しているか(例:IgAは粘膜、IgEはアレルギー)を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が問われた場合は、「初回」「最初」「一次免疫応答」といったキーワードに注目し、IgMが最初に産生されることを確認します。また、他の免疫グロブリンがどのような特徴や機能を持ち、いつ産生されるのかを区別することが重要です。
関連知識
一次免疫応答と二次免疫応答のメカニズム、B細胞の活性化、形質細胞への分化、抗体クラススイッチ、補体経路の活性化、各免疫グロブリンの構造(単量体、二量体、五量体など)、胎盤通過性(IgGのみ)。