手関節橈屈に作用する筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では3・5のいずれも正解とされています。 手関節の橈屈に関与する主な筋は、橈側手根屈筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋です。しかし、この問題では選択肢にそれらの筋が含まれていないため、補助的な作用を持つ筋を特定する必要があります。長母指屈筋と長母指外転筋は、母指の運動だけでなく、その走行が手関節の橈側を通過するため、手関節の橈屈にも作用します。長母指屈筋は前腕の深層屈筋群に属し、母指の末節骨まで走行しますが、手関節の橈側を斜めに通過するため橈屈作用も持ちます。長母指外転筋は、母指の外転に関与する主要な筋ですが、手関節の橈側を横切るように走行し、手関節の橈屈作用も持ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 長掌筋は手関節の掌屈に主に作用し、橈屈作用はほとんどありません。正しくは:長掌筋は手関節の掌屈に作用します。選びやすい理由:前腕屈筋群に属するため、手関節の運動に関与することは正しいが、具体的な作用(掌屈か橈屈か)を混同しやすい。混同注意:他の手関節屈筋群(橈側手根屈筋、尺側手根屈筋など)との作用の区別。
- 2. 短母指屈筋は母指のMP関節、CM関節の屈曲に作用し、手関節の動きには直接関与しません。正しくは:短母指屈筋は母指の屈曲に作用します。選びやすい理由:「屈筋」という名前から手関節の屈曲に関与すると思われがちだが、母指の固有筋であるため手関節には直接作用しない点を見落としやすい。混同注意:母指の動きと手関節の動きを混同しやすい。他の母指を動かす筋(長母指屈筋、長母指外転筋など)との区別の混乱。
- 3. 正解。長母指屈筋は、その走行上、手関節を通過し、母指の屈曲とともに手関節の橈屈方向への動きにも寄与します。特に母指を屈曲しながら手関節を橈屈させる際にこの作用が顕著になります。正しくは:この選択肢は正しいです。
- 4. 短母指外転筋は母指のCM関節、MP関節の外転に作用し、手関節の動きには直接関与しません。正しくは:短母指外転筋は母指の外転に作用します。選びやすい理由:「外転筋」という名前から橈側(外転側)の動きに関与すると誤解されやすいが、母指の固有筋であるため手関節には直接作用しない点を見落としやすい。混同注意:母指の動きと手関節の動きを混同しやすい。他の母指を動かす筋(長母指外転筋、長母指屈筋など)との区別の混乱。
- 5. 正解。長母指外転筋は、母指の外転に主要な役割を果たしますが、その走行が手関節の橈側を通過するため、手関節の橈屈にも強く作用します。解剖学的に橈骨茎状突起付近を通り、橈屈のモーメントアームを持ちます。正しくは:この選択肢は正しいです。
国試ポイント
手関節の動きに関わる筋とその作用を正確に理解しているかを問う問題。特に、母指を動かす筋でも手関節の動きに副次的に関与するものがあるという知識が重要となる。主要な手関節屈筋・伸筋だけでなく、周辺の筋の作用も問われる点がポイント。
混同注意
手関節の主要な屈筋・伸筋と、母指や指を動かす筋の作用範囲の区別。特に、手関節と指の関節の両方に作用する筋と、どちらか一方にのみ作用する筋との混同。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず主要な手関節の屈筋・伸筋を想起し、その選択肢がなければ、指を動かす筋の中で手関節をまたいで走行し、橈屈または尺屈の作用を持つものを探す。特に橈側を走行する筋に注目する。
関連知識
手関節の主要な屈筋(橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長掌筋)と伸筋(長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋)の解剖と機能。母指を動かす筋群(長母指外転筋、短母指外転筋、長母指屈筋、短母指屈筋、母指内転筋)の付着部と作用。各筋の神経支配。