出血性ショックを合併するリスクが最も高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
骨盤内には多くの臓器や太い血管が存在するため、骨盤骨折はこれらの血管を損傷し、大量の内出血を引き起こしやすいです。これにより、出血性ショックを発症するリスクが他の骨折と比較して最も高くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 橈骨遠位端骨折では、局所的な腫れや痛みが生じますが、出血量は通常少なく、出血性ショックを合併することは稀です。正しくは:出血性ショックのリスクは低い。選びやすい理由:骨折の中では比較的頻度が高いが、出血量とショックの関連性を混同しやすい。混同注意:他の骨折と出血量を比較する視点が欠けている場合。
- 2. 腰椎圧迫骨折は脊椎の骨折であり、神経症状を伴うことはありますが、大きな血管の損傷や大量出血に繋がることはほとんどなく、出血性ショックのリスクは非常に低いです。正しくは:出血性ショックのリスクは低い。選びやすい理由:高齢者に多く、重症感はあるが、出血性ショックのメカニズムとは直接結びつきにくい。混同注意:疼痛や機能障害の重症度と、出血による生命の危険性を混同する可能性。
- 3. 正解。骨盤内には膀胱、直腸、子宮などの臓器や、大きな血管(腸骨動脈・静脈など)が多数存在しています。骨盤骨折はこれらの血管を損傷しやすく、大量の内出血をきたすことが多いため、出血性ショックを合併するリスクが非常に高いです。特に不安定型骨盤骨折は生命を脅かす重篤な状態となることがあります。選びやすい理由:他の骨折に比べて直接的な血管損傷のリスクが高いことが理解できていれば選択しやすい。
- 4. 大腿骨頸部骨折では、骨折部周囲に内出血が生じることがありますが、骨盤骨折ほど大量出血に至ることは稀で、出血性ショックの危険性は骨盤骨折に比べて低いです。股関節周辺の血行障害による骨頭壊死のリスクの方が重要視されます。正しくは:出血性ショックのリスクは骨盤骨折よりも低い。選びやすい理由:高齢者に多く、寝たきりや手術が必要となる重症骨折であるため、出血性ショックも伴うと誤解しやすい。混同注意:骨折の重症度と出血性ショックのリスクを混同しやすい。骨折部位の解剖学的特徴(血管の多さ)を考慮できていない場合。
- 5. 足関節骨折では局所的な腫れや皮下出血は生じますが、足関節周囲には大量出血に繋がるような大きな血管は少なく、出血性ショックの合併リスクは極めて低いです。正しくは:出血性ショックのリスクは低い。選びやすい理由:日常生活で起こりうる骨折として認識されているが、出血の規模については意識されにくい。混同注意:一般的な骨折と、生命にかかわる重度の出血性ショックを起こす骨折との区別ができていない場合。
国試ポイント
骨折の種類とそれに伴う出血性ショックのリスクの関連性を問う問題です。各骨折部位の解剖学的特徴と、それに伴う合併症の可能性を理解しているかが重要となります。
混同注意
骨折の重症度(例:寝たきりになるリスク、手術の難易度)と、出血性ショックの危険性(例:生命の危機)を混同しやすい。特に大腿骨頸部骨折のような重症感のある骨折と迷う可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、骨折部位の周囲に『太い血管や多数の血管が走行しているか』『体腔内の空間が広く出血を貯留しやすいか』という観点で判断する。
関連知識
ショックの分類(出血性、心原性、神経原性、アナフィラキシー性、敗血症性など)、出血性ショックの病態生理、骨折の分類と一般的な合併症、各部位の解剖学(特に血管の走行)。