消化酵素で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・2のいずれも正解とされています。 選択肢1の「アミラーゼは、デンプンをデキストリンへと分解する酵素である」は正しいです。アミラーゼはデンプンの消化を開始し、より小さな糖類へと分解します。選択肢2の「トリプシンは、タンパク質をポリペプチドへと分解する酵素である」も正しいです。トリプシンは膵液に含まれ、タンパク質をより小さなポリペプチドへと分解する主要な酵素の一つです。選択肢3のペプシンはタンパク質分解酵素であり脂肪を分解しません。選択肢4のマルターゼはマルトースを分解し、スクロースはスクラーゼによって分解されます。選択肢5のラクターゼは乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アミラーゼは唾液腺や膵臓から分泌され、デンプン(多糖類)を加水分解してデキストリンやマルトースなどのオリゴ糖に分解します。これは消化の初期段階で重要な働きです。
- 2. 正解。トリプシンは膵臓から分泌される主要なタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の一つで、胃でペプシンによって分解されたタンパク質や未分解のタンパク質を、さらに小さなポリペプチドに分解します。
- 3. ペプシンは胃で分泌されるタンパク質分解酵素であり、トリグリセリド(脂肪)を分解する酵素ではありません。正しくは:ペプシンは、タンパク質をポリペプチドに分解する酵素である。または、トリグリセリドを脂肪酸に分解するのはリパーゼである。選びやすい理由:ペプシンが重要な消化酵素であることは知っているため、他の正しい情報と混同しやすい。混同注意:ペプシンの基質(タンパク質)とリパーゼの基質(脂肪)を混同しやすい。
- 4. マルターゼはマルトースをブドウ糖(グルコース)に分解する酵素です。スクロースをブドウ糖と果糖に分解するのはスクラーゼ(インベルターゼ)です。正しくは:マルターゼは、マルトースをブドウ糖に分解する酵素である。または、スクロースをブドウ糖に分解するのはスクラーゼである。選びやすい理由:糖質の分解酵素であることは正しいが、具体的な基質と生成物が誤っているため、知識が曖昧だと選びやすい。混同注意:様々な二糖類分解酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ)の基質と生成物を混同しやすい。
- 5. ラクターゼは乳糖(ラクトース)をブドウ糖(グルコース)とガラクトースに分解する酵素です。マルトースは生成しません。正しくは:ラクターゼは、乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解する酵素である。選びやすい理由:ラクターゼが乳糖を分解する酵素であるという前半は正しいが、生成物が誤っているため、不注意だと選びやすい。混同注意:乳糖の分解生成物(ブドウ糖とガラクトース)と、マルトースの分解生成物(ブドウ糖のみ)を混同しやすい。
国試ポイント
消化酵素の種類、その基質(作用する物質)、および生成物に関する基本的な知識が問われています。特に、主要な消化酵素(アミラーゼ、ペプシン、トリプシン、リパーゼなど)と、二糖類分解酵素(マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ)の具体的な働きを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
消化酵素の名前が似ていたり、作用する基質や生成物が複数の酵素で関連しているため、それぞれの酵素の役割を混同しやすいです。特に、糖質分解酵素のマルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼは名称が似ており、作用する二糖類と分解後の単糖類を正確に区別することが求められます。また、ペプシン(タンパク質)とリパーゼ(脂肪)のように、消化部位や基質を混同するケースも多いです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、消化酵素の作用部位、至適pH、または消化器疾患と関連付けた問題(例:膵炎時のアミラーゼ値、乳糖不耐症など)として問われる可能性があります。また、より詳細な各酵素の分子生物学的なメカニズムや、調節機構に関する知識が問われる可能性も考えられます。
関連知識
三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の消化経路と、各消化器官(唾液腺、胃、膵臓、小腸)で分泌される主要な消化酵素の名前、その活性部位(pH環境など)、および生成物を網羅的に理解しておくことが必要です。胆汁の役割(脂肪の乳化)も関連知識として重要です。