片側前腕能動義手の患者(能動フック使用)が両手動作を行う。日常活動における義手での操作と健手での操作の組合せで適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
能動義手はフックを開閉する機能を持つため、対象を把持することに適しています。歯ブラシを持つ際に義手を使用し、健手で歯磨き粉を持つことで、義手の把持力で歯ブラシを安定させつつ、健手の精密な動作で歯磨き粉を絞り出すという役割分担が可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 毛糸針に毛糸を通す動作は、高い精密性が求められるため、健手で針を、義手で毛糸を持つのが適切です。義手で毛糸針のような細いものを安定して持つことは困難であり、健手で毛糸のような柔らかいものを精密に操作する方が効率的です。正しくは:健手で毛糸針、義手で毛糸を持つ。選びやすい理由:義手で物を固定するという発想から、細い毛糸針を固定しようとするかもしれません。混同注意:義手の把持機能の限界や、精密動作における健手の優位性。
- 2. スプーン操作は精密な動作を伴うため、健手で行う方が適切です。義手でスプーンを持つと、口に運ぶ際のコントロールが難しくなります。茶碗は義手で固定するのに適しています。正しくは:健手でスプーン、義手で茶碗を持つ。選びやすい理由:義手で道具を持つという発想から、スプーンを持たせたくなるかもしれません。混同注意:食器を固定する役割と、摂食動作の精密性における健手の優位性。
- 3. 正解。義手で歯ブラシを安定して把持し、健手で歯磨き粉を絞り出すという役割分担は適切です。歯磨き粉を絞り出す動作は、健手の精密な操作が必要となります。選びやすい理由:特になし。義手の機能と健手の役割分担が適切に考慮されています。
- 4. アイロンは重量があり、かつ熱いものを扱うため、義手での操作は困難であり、安全性の観点からも健手で行うのが適切です。ハンカチは義手で固定するのに適しています。正しくは:健手でアイロン、義手でハンカチを持つ。選びやすい理由:義手で道具を扱うという発想から、アイロンを持たせたくなるかもしれません。混同注意:重い物や熱い物を扱う際の安全性や、健手の握力・操作性の優位性。
- 5. ハンマーは重量があり、打つ動作には高い操作性と安全性が求められるため、健手で行うのが適切です。釘は義手で固定するのに適しています。正しくは:健手でハンマー、義手で釘を持つ。選びやすい理由:義手で道具を扱うという発想から、ハンマーを持たせたくなるかもしれません。混同注意:重い物や衝撃を伴う作業における健手の握力・操作性の優位性。
国試ポイント
能動義手の機能と、日常生活動作における健手との役割分担の原則を理解することが重要です。一般的に、義手は安定した把持や固定に用いられ、健手はより繊細な操作や重い物の操作に用いられることが多いです。
混同注意
能動義手と装飾用義手、または能動義手と筋電義手の機能の違い。本問の能動義手はフックの開閉により把持動作が可能です。
次に同じ論点が出たら
能動義手は把持・固定機能、健手は操作・精密動作という基本的な役割分担が適切にされているかを判断します。重い物を扱う場合や精密な操作が必要な場合は健手を使うのが基本です。
関連知識
義手の種類(能動義手、装飾用義手、筋電義手など)、それぞれの義手の特徴と適応、ADLにおける義手の活用法(片手動作と両手動作の分担)