中等度の片麻痺患者に対する前開きカッターシャツの着衣動作指導の導入として正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
片麻痺患者が前開きのシャツを着る際、麻痺側の腕を先に袖に通し、服がずれ落ちないよう肩までしっかりと引き上げておくことで、その後の非麻痺側の腕を通す動作や、ボタンを留める動作がスムーズに行えます。これは着衣動作の基本的な指導原則の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 座位でも着衣動作の練習は可能です。特に中等度の片麻痺では、立位でのバランスが不安定な場合も多いため、安全性を考慮し座位から始めるのが一般的です。正しくは:座位での安定保持が可能であれば、座位から練習を開始できる。選びやすい理由:立位の方がより自立度が高いように感じられるため、最終目標と混同しやすい。混同注意:着衣動作の最終的な自立度と、導入段階の練習開始条件。
- 2. 体にぴったり合うシャツは、特に片麻痺がある場合、袖を通しにくく、着脱動作を困難にします。ゆったりとしたサイズの方が操作しやすいです。正しくは:ゆったりとしたサイズのものを選択する。選びやすい理由:普段の健常者にとっての着心地の良さと混同しやすい。混同注意:健常者の衣服選びと、麻痺がある場合の自助具としての衣服選びの視点。
- 3. 前開きのシャツを着る際は、麻痺側の腕を先に袖に通し、その後に非麻痺側の腕を通すのが基本です。これにより、麻痺側の腕の操作を非麻痺側で補助しやすくなります。正しくは:麻痺側の袖から通す。選びやすい理由:非麻痺側が動かしやすいから先に通せると思い込みやすい。混同注意:着衣動作の手順(麻痺側先行の原則)と、健常側先行の日常生活動作。
- 4. 正解。麻痺側の腕を袖に通した後、服がずり落ちないように、また非麻痺側の袖を通す際にスムーズに動かせるように、肩まで引き上げておくことが重要です。これにより、着衣動作が安定し、次の動作に移りやすくなります。正しくは:選択肢は正しい。選びやすい理由:特になし。着衣動作の基本手順を知っていれば正しいと判断できる。
- 5. ボタンを留める際は、一般的に下から、または上から順に留めていくのがシャツの形を整える上で適切です。中央から留めると、上下のボタンの位置がずれやすくなります。正しくは:ボタンは下から(または上から)順に留める。選びやすい理由:ボタンが一番留めやすい位置から始めたいという心理から選びやすいが、全体の整え方としては不適切。混同注意:最も簡単な動作の開始点と、シャツ全体の整え方。
国試ポイント
片麻痺患者の着衣動作における基本的な手順と、その援助方法や指導ポイントが問われています。特に「麻痺側先行」の原則とその具体的な適用が重要です。
混同注意
麻痺側先行の原則と、健常側先行の動作。また、着衣動作の初期段階での安全性や補助の必要性と、最終的な自立度を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、麻痺側先行の原則(着衣は麻痺側から、脱衣は健常側から)、着衣の選び方(ゆったりとしたもの)、ボタンやファスナーの補助具、座位と立位の選択など、具体的な着衣動作の指導における細かなポイントが問われる可能性があります。
関連知識
着衣動作の原則(麻痺側先行、脱衣は健常側先行)、片麻痺患者のADL指導、自助具の活用(ゆったりした衣類、ボタンエイドなど)、着衣動作分析。