足部内側縦アーチの維持に最も関与するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
足の内側縦アーチは、骨格、靱帯、そして筋によって複合的に支持されています。特に後脛骨筋は、脛骨後面から舟状骨粗面、さらには楔状骨や中足骨底に停止する強力な筋であり、その収縮によって足の内側縦アーチを上方へ引き上げ、足部を内反させ、足底を安定化させる主要な動的安定化因子です。この機能は、扁平足の病態生理学においても極めて重要視されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 三角靱帯は足関節の内側を安定させる強固な靱帯ですが、内側縦アーチを直接的に支えたり引き上げたりする機能は限定的です。主に足関節の内反の動きを制限します。正しくは:内側縦アーチの維持に最も重要なのは、主に動的安定化を担う筋群、特に後脛骨筋です。選びやすい理由:「内側」という言葉から、足関節の内側にある三角靱帯を選びやすいかもしれませんが、その主な機能は足関節の安定化であり、アーチの維持ではありません。混同注意:足関節の安定性と足底アーチの支持機能を混同しやすいです。
- 2. 長足底靱帯は、足底を縦に走り、足底アーチの支持に貢献する靱帯の一つですが、主に外側縦アーチの支持や踵立方関節の安定に関与が深く、内側縦アーチへの直接的な関与は後脛骨筋ほど大きくありません。静的な支持構造ではあります。正しくは:長足底靱帯も足底アーチの維持に寄与しますが、最も重要なのは動的安定化を担う後脛骨筋であり、また長足底靱帯は主に外側縦アーチに関与します。選びやすい理由:「足底」という言葉や、靱帯がアーチを支えるという一般的な知識から、足底アーチ全体の維持に関わると思われやすいです。しかし、内側よりは外側のアーチへの寄与が大きいです。混同注意:足底の他の靱帯(短足底靱帯、足底腱膜など)や、内側と外側の縦アーチの支持機構を混同しやすいです。
- 3. 正解。後脛骨筋は脛骨の後面から起こり、その腱が足関節の内果の後ろを通り、舟状骨粗面、楔状骨、さらには中足骨底に停止します。この筋が収縮すると、足関節の底屈と内反を引き起こし、足の内側縦アーチを上方に力強く引き上げることで、アーチの動的な維持に最も重要な役割を果たします。扁平足ではこの筋の機能不全が重要な要因となることがあります。
- 4. 足底筋は下腿の後面に位置する小さな筋で、アキレス腱の内側を走行し、踵骨に停止します。足関節の底屈をわずかに補助する程度の機能しかなく、足の内側縦アーチの維持に対して直接的かつ重要な関与はほとんどありません。正しくは:足底筋の機能は足関節の底屈補助に限られ、足の内側縦アーチの維持に直接的な役割はありません。選びやすい理由:「足底」という名前に惑わされやすいですが、足底筋は足底にはありません(下腿の筋です)。その機能もアーチ維持とは関係が薄いです。混同注意:下腿の他の深層屈筋群(後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋)や、足底の固有筋群と混同しやすいです。
- 5. 第三腓骨筋は下腿の前面に位置し、主に足関節の背屈と外反に作用します。この筋は外側縦アーチの支持や外側への動きに関与するため、足の内側縦アーチの維持とは逆方向の機能を持つか、直接的な関与はありません。正しくは:第三腓骨筋は足関節の背屈と外反を担い、足の内側縦アーチの維持には直接関与しません。選びやすい理由:「腓骨筋」という名称から、足部全体の安定化に関わるように感じられるかもしれませんが、その作用は内側アーチの維持とは異なります。混同注意:外側縦アーチの支持筋(長腓骨筋、短腓骨筋)や、内側縦アーチの支持筋(後脛骨筋)と混同しやすいです。
国試ポイント
足部のアーチ構造とその支持機構は、国家試験で頻繁に出題される重要な解剖学・運動学の知識です。特に、内側縦アーチの維持に関わる主要な筋(後脛骨筋)と靱帯、そしてそれらの機能的関係を理解しているかが問われます。動的安定化筋と静的安定化機構(靱帯、足底腱膜など)の違いも重要です。
混同注意
足部のアーチには内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチがあり、それぞれを支持する主要な筋や靱帯が異なります。特に、内側縦アーチの支持筋(後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋)と外側縦アーチの支持筋(長腓骨筋、短腓骨筋)を混同しやすいです。また、靱帯(三角靱帯、長足底靱帯、足底腱膜など)の役割と筋の役割の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、足のアーチの種類(内側縦、外側縦、横)と、それぞれのアーチの形成・維持に寄与する主要な骨、靱帯、筋の具体的な名称と作用を正確に理解しているかが問われるでしょう。特に、扁平足の主な原因となる筋・靱帯の機能不全に関する知識も重要になります。
関連知識
足部のアーチ構造(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)、足底腱膜、スプリング靱帯(底側踵舟靱帯)、足底固有筋群の役割。扁平足や凹足といった足部変形との関連。動的安定化機構(筋)と静的安定化機構(骨、靱帯、足底腱膜)のそれぞれの寄与度。