家族性が孤発性よりも多いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ハンチントン病は、HTT遺伝子のCAGリピート伸長によって引き起こされる常染色体優性遺伝疾患です。このため、発症者のほとんどは遺伝的要因に基づいており、家族性の発症が孤発性発症に比べて圧倒的に多いか、事実上孤発性発症は認められないとされています。他の選択肢の疾患は、遺伝的要因が関与する場合もありますが、全体として見ると孤発性発症の割合が家族性発症よりも高いことが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. パーキンソン病のほとんどは孤発性であり、家族性の遺伝性パーキンソン病は全体の5〜10%程度とされています。正しくは:パーキンソン病の大多数は孤発性である。選びやすい理由:パーキンソン病にも遺伝子異常が関与するタイプが存在するため、混同しやすいかもしれません。混同注意:遺伝性パーキンソン病の存在と、疾患全体の疫学(家族性か孤発性か)を混同する可能性があります。
- 2. 多系統萎縮症は基本的に孤発性の疾患であり、家族性の発症は極めて稀です。正しくは:多系統萎縮症は主に孤発性の疾患である。選びやすい理由:神経変性疾患であるため、他の遺伝性神経疾患と関連付けて考えてしまうかもしれません。混同注意:他の神経変性疾患、特に遺伝性を示す疾患と混同する可能性があります。
- 3. 正解。ハンチントン病は常染色体優性遺伝疾患であり、原因遺伝子(HTT遺伝子のCAGリピート伸長)が特定されています。そのため、ほぼ全ての患者が遺伝的な背景を持ち、家族性発症が孤発性よりも圧倒的に多い、あるいは孤発性発症は極めて稀であるとされています。
- 4. レビー小体型認知症は、多くが孤発性発症であり、家族性の遺伝形式を取ることは稀です。正しくは:レビー小体型認知症のほとんどは孤発性である。選びやすい理由:パーキンソン病との関連が深く、パーキンソン病の一部に遺伝性がみられることから、こちらも遺伝性が高いと誤解する可能性があります。混同注意:パーキンソン病における遺伝性の割合と混同する可能性があります。
- 5. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の約90%は孤発性であり、家族性ALSは全体の約5〜10%程度です。正しくは:筋萎縮性側索硬化症の大部分は孤発性である。選びやすい理由:ALSにも遺伝性のタイプが存在するため、その割合を過大評価してしまうかもしれません。混同注意:遺伝性ALSの存在と、疾患全体の疫学(家族性か孤発性か)を混同する可能性があります。
国試ポイント
神経疾患における遺伝性(家族性)と孤発性の割合についての基本的な知識が問われています。特に、特定の遺伝形式を持つ疾患の代表例を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
遺伝性疾患の存在そのものと、疾患全体における遺伝性の頻度(家族性か孤発性か)を混同しやすいです。多くの神経疾患には遺伝性のタイプが存在しますが、その割合は疾患によって大きく異なります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各神経疾患の疫学(特に遺伝性か孤発性か、その割合)を正確に把握しているか、また各遺伝形式の代表疾患を理解しているかが問われると予想されます。
関連知識
常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖遺伝などの遺伝形式。各神経疾患の疫学(発症率、男女差、遺伝性/孤発性の割合)。パーキンソン病の遺伝性(LRRK2遺伝子など)、ALSの遺伝性(SOD1遺伝子など)。