介護予防事業の「介護予防教室」で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
介護予防事業は、介護保険制度における地域支援事業の一つであり、その実施主体は市町村です。市町村は、地域住民の健康維持・増進、生活機能の向上を目指し、多様な介護予防プログラム(介護予防教室を含む)を企画・実施します。これらの事業は、特定の実施頻度や期間、あるいは対象者に限定されるものではなく、地域のニーズに応じて柔軟に運用されることが特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 介護予防教室の実施頻度は、地域の実情やプログラムの内容によって異なり、特定の回数が義務付けられているわけではありません。自治体や実施団体が柔軟に設定します。正しくは:実施頻度は、地域のニーズやプログラム内容に応じて柔軟に設定される。選びやすい理由:健康増進プログラムで一般的な週1回や月数回のイメージから、具体的な数字が正しく見えてしまう可能性がある。混同注意:他の介護保険サービスや通所リハビリテーションなどの提供頻度と混同しやすい。
- 2. 介護予防教室の目的は、筋力向上だけでなく、口腔機能の改善、栄養状態の改善、認知機能の維持、閉じこもり予防、社会参加の促進など、多岐にわたります。高齢者の生活機能全般の維持・向上を目指します。正しくは:高齢者の生活機能全般(運動、口腔、栄養、認知機能など)の維持・向上と、社会参加の促進が主な目的である。選びやすい理由:「介護予防」という言葉から運動機能の維持が強く連想され、その代表である筋力強化が主な目的であると誤解しやすい。混同注意:特定の運動教室やリハビリテーションプログラムと混同し、目的が限定的であると思い込みやすい。
- 3. 介護予防教室は、介護予防・生活支援サービス事業の一環として要支援認定者や事業対象者が利用するもの(旧「介護予防事業」)と、一般介護予防事業として65歳以上のすべての高齢者が参加できるもの(新「介護予防・日常生活支援総合事業」の一般介護予防事業)の両方を含みます。そのため、要支援者のみに限定されるわけではありません。正しくは:要支援認定者や事業対象者に加え、65歳以上のすべての高齢者が参加できる場合もある。選びやすい理由:「介護予防」という名称から、介護リスクの高い要支援者のみが対象だと考えやすい。特に旧制度の知識にとらわれていると誤解しやすい。混同注意:介護保険サービスにおける「要支援者」という区分と、介護予防・日常生活支援総合事業における「一般介護予防事業」の対象者区分を混同しやすい。
- 4. 正解。介護予防事業を含む地域支援事業は、介護保険法に基づいて市町村が主体となって実施する事業です。市町村は、地域包括支援センターなどを通じて、事業の企画・運営、住民への周知などを行います。直接実施する場合もあれば、委託して実施する場合もありますが、その責任主体は市町村です。混同注意:民間企業やNPO、医療機関などが事業を委託されて実施する場合があるため、それらが主体であると誤解すること。
- 5. 介護予防教室の実施期間に、最低1年間という具体的な定めはありません。プログラムの種類や目標に応じて、数週間の短期集中型から年間を通して継続的に実施されるものまで様々です。正しくは:実施期間は、プログラムの内容や目標に応じて柔軟に設定される。選びやすい理由:効果測定や習慣化には一定の期間が必要という一般的な考えから、長期間の実施が義務付けられていると誤解しやすい。混同注意:介護保険サービスのケアプラン期間や、リハビリテーション計画の期間などと混同しやすい。
国試ポイント
介護保険制度における地域支援事業(特に介護予防・日常生活支援総合事業)の基本的な枠組み、実施主体、対象者、そして事業の目的について問われることが多いです。具体的な実施方法や期間に関する細かい規定の有無もポイントとなります。
混同注意
介護予防事業と介護給付サービスの違い、地域支援事業の他の種類(包括的支援事業、任意事業)、旧介護予防事業と新総合事業の対象者の違い。
次に同じ論点が出たら
今後、介護予防事業における個別のサービス内容や、地域包括ケアシステムの中での位置づけ、他職種連携のあり方など、より実践的な内容が問われる可能性があります。また、介護予防ケアマネジメントの役割やプロセスについても理解を深める必要があります。
関連知識
地域支援事業の3つの柱(総合事業、包括的支援事業、任意事業)、総合事業の2つの事業(介護予防・生活支援サービス事業、一般介護予防事業)それぞれの内容と対象者。介護予防教室の具体的な内容例(運動器機能向上、口腔機能向上、栄養改善、認知症予防など)。