評価法と説明の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
選択肢2のフェイススケールは、顔の表情のイラストを用いて、特に小児や言語での表現が難しい患者の痛みを視覚的に評価する一般的な方法です。選択肢3のNRS(Numerical Rating Scale)は、患者が自身の痛みの程度を数字で示す自己報告式の評価尺度であり、その説明は適切です。他の選択肢は、評価尺度の目的、対象、または評価形式について誤った説明をしています。
選択肢ごとの解説
- 1. Abbey Pain Scaleは、主に非言語的な人(特に認知症患者など)の痛みを評価するための観察式疼痛評価尺度であり、緩和ケア全般の包括的な評価尺度ではありません。緩和ケアの包括的評価には、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面を含む多岐にわたる項目が含まれます。正しくは:Abbey Pain Scale: 非言語的な人の疼痛を評価するための観察式疼痛評価尺度。選びやすい理由:緩和ケアで用いられることは事実であり、非言語的な人の疼痛評価に特化しているため、包括的と誤解しやすいです。混同注意:QOLスケールやESAS(Edmonton Symptom Assessment System)のような多次元的な緩和ケア評価尺度と混同しやすいです。
- 2. 正解。フェイススケールは、痛みや感情を評価する際に、特に子どもや言語での表現が難しい人が、顔の表情のイラスト(笑顔から泣き顔まで)を選んで現在の状態を示す方法です。その説明は適切です。
- 3. 正解。NRSは、一般的に0から10までの数字を使って、患者自身が感じる痛みの程度を評価する尺度です。患者が口頭で数字を答えたり、数字の書かれたシートを指差したりして使用するため、「数値的評価」という説明は正しいです。
- 4. STAS-Jは、緩和ケアを提供する多職種チームの活動を評価するためのツールであり、患者が自身の症状を視覚的に評価するものではありません。緩和ケアの質や提供体制を評価する尺度です。正しくは:STAS-J: 緩和ケアチームの活動を評価するための尺度。選びやすい理由:多くの評価尺度に視覚的な要素が含まれるため、単に「視覚的評価」という言葉から、患者が絵や目盛りで評価するスケールと誤解しやすいです。また、VAS(視覚的アナログスケール)と混同しやすいです。混同注意:VAS (Visual Analogue Scale) や他の視覚的な疼痛スケールと混同しやすいです。
- 5. VASは、患者が線上に自分の痛みの程度をマークする自己報告式の疼痛評価尺度であり、観察式ではありません。また、認知症患者のように自己表現が難しい場合には、Abbey Pain ScaleやPAINADなどの観察式評価尺度がより適しています。正しくは:VAS: 患者が自ら痛みの程度を線上にマークする自己報告式の評価尺度。選びやすい理由:認知症患者の疼痛評価が重要であることは事実であり、観察式という言葉と疼痛評価スケールが結びつきやすいためです。混同注意:Abbey Pain ScaleやPAINAD(Pain Assessment In Advanced Dementia)のような、認知症患者向けの観察式疼痛評価尺度と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、作業療法士が臨床で遭遇する可能性のある様々な疼痛評価尺度や緩和ケア関連評価尺度について、その名称、評価形式(自己報告式か観察式か、数値か視覚か)、および対象者に関する基本的な知識を問うものです。特に、患者の認知機能やコミュニケーション能力に応じた適切な評価法を選択できるかが重要です。
混同注意
疼痛評価尺度(VAS, NRS, Face Scale, Abbey Pain Scale, PAINADなど)と、緩和ケアの包括的評価尺度(ESAS, STAS-Jなど)の目的や評価形式を混同しやすいです。特に、自己報告式と観察式の区別、数値と視覚表現の区別がポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各評価尺度の具体的な使用場面(例:小児、認知症患者、意識障害者)、評価項目、評価に要する時間、および信頼性・妥当性について問われる可能性があります。また、複数の症状評価(疼痛だけでなく、倦怠感、吐き気など)を同時に行うスケールについても確認しておくべきです。
関連知識
疼痛評価尺度(NRS, VAS, Face Scale, FLACCスケール, PAINAD, Abbey Pain Scale, VRSなど)のそれぞれの特徴、利点、欠点、対象者。緩和ケアにおける包括的評価尺度(ESAS, STAS-Jなど)の目的と内容。認知症患者や小児など、特別な集団に対する疼痛評価の工夫。