感染症への対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
活動性のある肺結核患者からは結核菌が空気感染するため、医療従事者はN95マスクなどの呼吸用保護具に加え、飛沫核による汚染を防ぐために予防衣を着用し、病室から出る際に適切に脱衣・廃棄することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. HBVは血液・体液を介して感染する接触感染が主なため、個室管理の必要性は通常ありません。標準予防策を徹底することで対応可能です。正しくは:B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している患者さんの訓練は、標準予防策を徹底すれば個室で行う必要はない。選びやすい理由:HBV感染症の重篤性から、隔離が必要だと誤解しやすい。混同注意:空気感染や飛沫感染を要する感染症と、血液・体液感染の感染対策の区別。
- 2. 正解。活動性のある肺結核は空気感染するため、N95マスクなどの呼吸用保護具に加え、病室内の汚染から身を守るために予防衣を着用することが適切です。選びやすい理由:結核に対する対策がN95マスクのみと思われがちだが、予防衣も重要であるため。混同注意:空気感染対策における個人防護具の範囲(マスクだけでなく予防衣も含まれること)と、飛沫感染対策との混同。
- 3. HIVは唾液を介して感染することは稀であり、HIV抗体検査は通常、感染機会から時間を置いて行われます(スクリーニング検査は通常1〜3ヶ月後)。すぐに検査しても検出されません。正しくは:HIV感染患者の唾液に触れた場合、感染リスクは極めて低く、直ちにHIV抗体検査を受ける必要はない。選びやすい理由:HIV感染への過度な恐怖心から、わずかな接触でも検査が必要だと誤解しやすい。混同注意:HIVの感染経路(血液、性行為、母子感染が主)と、検査のタイミング。
- 4. HCVはエンベロープウイルスであり、アルコール消毒は有効ですが、感染性のある体液で汚染された物品に対しては、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒薬やオートクレーブ滅菌がより確実で推奨されます。アルコールは有機物存在下で効果が減弱します。正しくは:C型肝炎ウイルス(HCV)に感染している患者さんが使用した血液・体液で汚染された物品は、次亜塩素酸ナトリウム消毒や高圧蒸気滅菌で処理する。選びやすい理由:一般的な消毒薬としてアルコールが広く使われるため、HCVにも有効だと考えやすい。混同注意:ノンエンベロープウイルス(ノロウイルスなど)に対する消毒薬と、エンベロープウイルス(HCV, HBV, HIVなど)に対する消毒薬の適切な選択。
- 5. インフルエンザ患者は、発症後5日間が経過し、かつ解熱後2日間が経過するまで(小児の場合は解熱後3日間)は、感染拡大防止のため外出を控えるべきであり、作業療法室での訓練は適切ではありません。正しくは:インフルエンザに罹患した患者は、発症後5日間かつ解熱後2日間(小児は3日間)が経過するまで作業療法室での訓練は開始できない。選びやすい理由:解熱すれば感染性がなくなると誤解しやすい。混同注意:発熱期間と感染可能期間の区別、および登校・出勤・リハビリ再開の目安。
国試ポイント
感染経路別予防策(特に空気感染、飛沫感染、接触感染)と、各感染症に対する具体的な対策。
混同注意
空気感染、飛沫感染、接触感染のそれぞれの定義と、適用される感染症、および必要な個人防護具の区別。
次に同じ論点が出たら
提示された感染症の感染経路と、それに応じた適切な感染対策(特に個人防護具の種類と病室管理)が問われているかを確認します。
関連知識
標準予防策(スタンダードプリコーション)の徹底。各感染症の感染経路に応じた病室管理(個室管理、陰圧室など)。