精神障害者の雇用対策で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
選択肢1は、障害者雇用促進法により精神障害者も雇用義務の対象となっているため正しいです。選択肢5は、IPSがストレングスベースかつリカバリー志向の支援モデルであるという特徴を正確に述べているため正しいです。選択肢2は、精神障害者の職場定着率は他障害に比べて低い傾向にあるため誤りです。選択肢3は、ハローワークにおける精神障害者の就職件数の伸び率は他障害に比べて高いため誤りです。選択肢4は、障害者雇用における精神障害者の定義が障害年金受給者のみではないため誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。障害者雇用促進法において、精神障害者も身体障害者、知的障害者と同様に雇用義務の対象となっています。これにより、企業は一定割合以上の精神障害者を雇用する法的責任を負います。
- 2. 精神障害者の職場定着率は、他の障害種別(身体障害、知的障害)と比較して低い傾向にあります。特に、精神障害者は再発や病状悪化による離職リスクが相対的に高いことが指摘されています。正しくは:就職後の職場への定着率は、他の障害を持つ人々と比較して低い傾向にあります。選びやすい理由:精神障害者の雇用促進が強調されているため、定着率も高いと誤解する可能性があります。混同注意:雇用数が増加していることと、定着率が高いことを混同しやすいです。
- 3. ハローワークでの精神障害者の就職件数は、他の障害種別に比べて最も高い伸び率を示しており、近年特に増加傾向にあります。これは、精神障害者の雇用機会が拡大していることを反映しています。正しくは:ハローワークにおける精神障害者の職業紹介での就職件数の伸び率は、他の障害種別に比べて高い状況です。選びやすい理由:精神障害者の定着率が低いという情報と混同し、就職件数の伸びも低いと誤解する可能性があります。混同注意:定着率と就職件数の伸び率を混同しやすいです。定着率が低いからといって、就職件数が伸びないわけではありません。
- 4. 障害者雇用促進法における精神障害者の定義は、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者、または統合失調症、躁うつ病(双極性障害)、てんかん、高機能広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)等の精神疾患を有する者であって、特定の期間(例:手帳を持たない場合は診断から6ヶ月以上)にわたって医療を受けている者などが含まれます。障害年金受給は雇用促進法上の直接的な定義ではありません。正しくは:障害者雇用における精神障害者の定義は、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者や、特定の精神疾患を抱え、一定期間治療を受けている者」とされています。選びやすい理由:障害年金が精神障害の認定基準の一つであるため、雇用促進法上の定義と混同しやすいです。混同注意:障害者手帳の有無、障害年金の受給、精神疾患の診断書といった、異なる制度における精神障害の認定要件を混同しやすいです。
- 5. 正解。IPSは、精神障害者の就労支援プログラムであり、利用者の強みを活かし、病気からの回復(リカバリー)を重視しながら、競争的雇用への直接的な配置と継続的なサポートを行うことが特徴です。その理念はストレングスとリカバリーに強く基づいています。
国試ポイント
精神障害者雇用に関する法制度、統計的側面(定着率、就職件数)、および代表的な支援プログラム(IPS)の理解が問われています。特に、誤解しやすい統計データや制度の定義に注意が必要です。
混同注意
精神障害者の就職件数の伸びと職場定着率の混同。障害者雇用促進法上の精神障害者の定義と、障害年金受給や障害者手帳の有無といった他の制度上の定義の混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、精神障害者雇用における近年の法改正内容(特に雇用義務の対象拡大や雇用率算定方法の変更)、具体的な統計数値(定着率、雇用率達成状況)、およびIPS以外の主要な就労支援プログラム(例:地域障害者職業センターの支援内容)について知識が問われる可能性があります。
関連知識
障害者雇用促進法、障害者雇用率制度、精神障害者保健福祉手帳、ハローワークの障害者雇用支援、IPSの8原則。