三次予防はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
三次予防は、疾病が既に発症し、症状が固定した後に、残された機能の回復、社会復帰、合併症の予防、生活の質の向上を目指す段階の予防です。脳卒中による片麻痺は、機能障害が固定している状態であり、それに対する機能的作業療法は、機能回復や日常生活活動(ADL)の改善、社会参加を目的とするため、三次予防に適切に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. これは疾病の早期発見・早期治療を目的とするため、二次予防に該当します。正しくは:乳幼児の定期健康診査は二次予防である。選びやすい理由:健康診査という言葉から予防的介入だと捉えやすいが、どの段階の予防かを正確に理解する必要がある。混同注意:一次予防(健康増進・特異的予防)や三次予防(機能回復・社会復帰)と混同しやすい。
- 2. 疾病の発生を未然に防ぎ、健康を維持増進させることを目的としているため、一次予防に該当します。正しくは:健康な高齢者への運動指導は一次予防である。選びやすい理由:運動指導という介入自体は予防行為であるため、予防の段階を意識しないと誤って選びやすい。混同注意:二次予防(早期発見・早期治療)や三次予防(機能回復・社会復帰)と混同しやすい。
- 3. 既に発症している高血圧症の進行を防ぎ、合併症を予防することを目的としているため、二次予防に該当します。正しくは:高血圧症患者への降圧剤処方は二次予防である。選びやすい理由:薬の服用は病気の進行を防ぐという意味で予防的に思えるが、既に病気になっている患者への介入であるため注意が必要。混同注意:一次予防(疾病発生予防)や三次予防(機能回復・社会復帰)と混同しやすい。
- 4. 既に慢性腎不全を発症している患者に対し、病態の悪化を防ぎ、合併症を予防することを目的としているため、二次予防に該当します。正しくは:慢性腎不全患者への食事指導は二次予防である。選びやすい理由:食事指導という言葉から健康増進的な一次予防と捉えやすいが、対象が既に病気の患者である点に注目。混同注意:一次予防(健康増進・特異的予防)や三次予防(機能回復・社会復帰)と混同しやすい。
- 5. 正解。脳卒中によって生じた片麻痺という機能障害に対し、残存機能の改善や代償、QOLの向上を目指す介入であり、これは疾病発生後の機能回復・社会復帰を目的とする三次予防に該当します。
国試ポイント
疾病予防の三段階(一次予防、二次予防、三次予防)の具体的な介入内容を正確に理解し、それぞれの事例を正しく分類できるかが問われています。特に、どの段階で「疾病が発症しているか否か」「介入の目的が何か(健康増進か、早期発見・治療か、機能回復・社会復帰か)」を見極めることが重要です。
混同注意
一次予防(健康増進、特異的予防)と二次予防(早期発見・早期治療)、二次予防と三次予防(機能回復、社会復帰)の境界が曖昧になりやすい。特に、『予防』という言葉の広義な意味合いから、全ての介入を予防として捉えがちだが、その段階を区別する視点が求められます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず「疾病が発症しているか、またはその危険因子があるか」を確認し、次に「その介入の主な目的が何か(健康増進・発症予防、早期発見・進行抑制、機能回復・社会復帰)」を明確にすることで、一次・二次・三次予防のいずれに該当するかを判断します。
関連知識
・一次予防: 健康増進(健康教育、生活習慣病予防)、特異的予防(予防接種、交通安全対策) ・二次予防: 早期発見・早期治療(健康診断、がん検診、人間ドック、薬物療法による病状安定) ・三次予防: 機能回復・社会復帰(リハビリテーション、再発予防、QOL改善、社会復帰支援)