エリスロポエチンの産生を促進するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
エリスロポエチンは主に腎臓で産生され、体内の酸素分圧が低下した際にその産生が促進されます。これは、酸素運搬能力を高めるために赤血球の産生(赤血球造血)を刺激する重要なメカニズムです。腎臓の尿細管周囲間質細胞が低酸素を感知し、エリスロポエチンを分泌します。
選択肢ごとの解説
- 1. 血圧の低下はレニン・アンギオテンシン系の活性化を促し、血圧上昇を試みますが、エリスロポエチンの直接的な産生促進要因ではありません。正しくは:血圧低下はレニン分泌を促進します。選びやすい理由:腎臓が関与する生理反応なので、関連性を連想するかもしれませんが、エリスロポエチン産生とは直接結びつきません。混同注意:レニンやバソプレシンなど、腎臓が関わる他のホルモン分泌と混同しやすいです。
- 2. 血糖値の低下は主にインスリンやグルカゴンといったホルモンによって調節され、肝臓や膵臓が主要な役割を果たします。エリスロポエチンの産生とは直接関係ありません。正しくは:血糖値低下はグルカゴン分泌を促進します。選びやすい理由:全身の代謝に関わる重要な指標なので、何らかのホルモン分泌と関連があるように感じるかもしれませんが、エリスロポエチンとは異なります。混同注意:血糖値を調節するホルモン(インスリン、グルカゴンなど)の作用と混同しやすいです。
- 3. エリスロポエチンは主に腎臓で産生されるため、腎機能が低下すると、エリスロポエチンの産生能力も低下します。これは赤血球減少(貧血)の原因となります。正しくは:腎機能が低下するとエリスロポエチンの産生は『減少』します。選びやすい理由:エリスロポエチンが腎臓で産生されることから、腎機能との関連を想起させますが、機能低下は促進ではなく減少につながります。混同注意:エリスロポエチン産生臓器が腎臓であることと、その機能低下時の影響を混同しやすいです。
- 4. 正解。エリスロポエチンは腎臓の尿細管周囲間質細胞で産生され、その産生量は腎臓への酸素供給状態に強く依存します。動脈血酸素分圧の低下(低酸素状態)は、体が酸素不足であると感知し、赤血球の産生を促すためにエリスロポエチンの分泌を増加させます。
- 5. 血中カルシウム濃度の調節は主に副甲状腺ホルモン(PTH)、ビタミンD、カルシトニンによって行われます。エリスロポエチンの産生とは直接的な関連はありません。正しくは:血中カルシウム濃度低下は副甲状腺ホルモン分泌を促進します。選びやすい理由:カルシウムも身体の恒常性維持に重要な要素であり、腎臓とも関連があるため、選択肢として魅力的かもしれませんが、エリスロポエチンとは直接関係ありません。混同注意:カルシウム代謝に関わるホルモン(副甲状腺ホルモン、カルシトニン、活性型ビタミンDなど)の作用と混同しやすいです。
国試ポイント
エリスロポエチンの産生と調節因子、特に低酸素刺激との関連性を理解しているかが問われています。また、他のホルモンの調節メカニズムや、腎臓機能低下時のエリスロポエチン産生への影響(減少)との混同を避ける知識が必要です。
混同注意
エリスロポエチンが腎臓で産生されるため、『腎機能の低下』が産生促進と誤解されやすいが、実際は産生低下につながる点。また、他の腎臓関連ホルモン(レニンなど)や、血糖・カルシウムなどの恒常性維持に関わるホルモンの調節メカニズムと混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、エリスロポエチンの作用機序(赤血球造血促進)、標的臓器(骨髄)、産生臓器(主に腎臓)、低酸素以外の産生調節因子(例えばアンドロゲンも促進、エストロゲンは抑制傾向)について問われる可能性があります。また、腎性貧血の病態生理や治療におけるエリスロポエチンの役割も重要です。
関連知識
エリスロポエチンは、腎臓の尿細管周囲間質細胞から分泌される糖タンパク質ホルモンである。骨髄における赤芽球系の増殖・分化を促進し、赤血球産生を調整する。腎性貧血の治療薬としても用いられる。低酸素誘導因子-1(HIF-1)がエリスロポエチン遺伝子の発現を調節している。