言語性記憶機能を測る検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
RAVLT(Rey Auditory Verbal Learning Test)は、聴覚的に提示された単語リストを記憶し、繰り返し再生させることで、言語性記憶の獲得、保持、想起、再認といった様々な側面を評価する標準的な検査です。即時想起、遅延想起、再認、学習曲線などを詳細に分析でき、言語性記憶障害の有無やタイプを特定するのに非常に有用です。
選択肢ごとの解説
- 1. RBMTは行動記憶、特に日常生活における記憶障害の評価に用いられますが、言語性記憶に特化した検査ではありません。視覚性記憶や展望的記憶など、様々な側面を包括的に評価します。正しくは:RBMTは全体的な行動記憶、特に視覚性記憶や展望的記憶も含む広範な記憶機能を評価する検査です。選びやすい理由:「記憶検査」とあるため、記憶に関する検査である点は合致していると感じやすいですが、言語性に特化しているわけではありません。混同注意:他の記憶検査全般と混同しやすいです。言語性記憶に特化した他の検査(例:語想起検査)との違いを理解する必要があります。
- 2. WCSTは、主に前頭葉機能(特に概念形成、問題解決能力、柔軟性など)を評価する検査であり、記憶機能、特に行動性記憶や言語性記憶を直接的に測定するものではありません。正しくは:WCSTは、主に前頭葉機能、特に概念形成や認知的柔軟性といった実行機能を評価する検査です。選びやすい理由:認知機能全般の検査として知られているため、記憶機能の一部も評価していると誤解されやすいです。混同注意:前頭葉機能検査や実行機能検査と混同しやすいです。記憶検査とは異なる目的の検査であることを理解する必要があります。
- 3. 正解。RAVLTは、聴覚的に提示された単語リストの想起を繰り返し行うことで、言語性即時記憶、遅延再生、再認、学習曲線などを評価する検査であり、言語性記憶機能を測定する代表的な検査です。正しくは:RAVLTは、聴覚的に提示された単語リストの記憶・再生能力を評価する、言語性記憶に特化した検査です。
- 4. ディジットスパンは、数字の順唱・逆唱を通じて、主に短期記憶やワーキングメモリの保持容量を評価する検査です。言語性記憶の一部ではありますが、単語リストの学習や再生といったより広範な言語性記憶学習機能を測るものではありません。正しくは:ディジットスパンは、聴覚的に提示された数字列の短期的な保持能力を測る、短期記憶・ワーキングメモリの検査です。選びやすい理由:「記憶」という言葉が含まれるため、正解と判断しやすいです。特に「言語性」の要素も含まれるため、RAVLTとの区別が重要です。混同注意:短期記憶と長期記憶、ワーキングメモリと一般記憶との違い。RAVLTのような言語性記憶学習検査との違い。
- 5. 文字抹消検査は、視覚的探索、注意の持続、選択的注意、無視といった、主に注意機能や視覚探索能力を評価する検査です。記憶機能を直接的に測定するものではありません。正しくは:文字抹消検査は、特定の文字を素早く正確に探し出す能力を測る、主に注意機能や視覚探索能力を評価する検査です。選びやすい理由:「文字」という言葉から言語性機能に関係あると誤解しがちですが、記憶ではなく注意機能が主要な評価項目です。混同注意:注意機能検査と記憶検査の区別。特に視覚性注意や選択的注意の検査と混同しやすいです。
国試ポイント
神経心理検査の目的と評価内容について、主要な検査の名称と評価項目を正確に理解しているかが問われます。特に「記憶」「注意」「実行機能」といった高次脳機能のどの側面に特化しているかを区別する知識が必要です。今回は『言語性記憶』という具体的な絞り込みがある点がポイントです。
混同注意
短期記憶検査(例:Digit Span)と長期の言語性記憶学習検査(例:RAVLT)、行動記憶検査(例:RBMT)と特定の記憶モダリティ(言語性・視覚性)に特化した検査の違いを混同しやすいです。また、記憶以外の高次脳機能(注意、実行機能)を評価する検査と混同する可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、まず「何(どの高次脳機能)を評価する検査か」という全体像を捉え、次に「その中でも特にどの側面(例:言語性、視覚性、短期、長期、行動的など)に特化しているか」という詳細な点を識別できるかを確認します。
関連知識
その他、代表的な言語性記憶検査としてWMS-R(ウェクスラー記憶検査改訂版)の言語性下位検査、Rey-Osterrieth複雑図形検査(ROCF)の言語的側面、三宅式記銘力検査などがあります。視覚性記憶検査としてはROCF、Benton視覚記銘力検査、WMS-Rの視覚性下位検査などがあります。また、実行機能検査としてStroop Test、Go/No-Go課題など、注意機能検査としてTrail Making Test (TMT) A、CAT (Conzentrations-Test)などがあります。